【1】16:58

私のママは私のことを思ってくれてる素敵なママだった。

母子家庭なので唯一の理解者だった。

ちょっとだけ厳しくて、たまに私のことをちっとも見てくれない時があるけれども、それでもママが大好きだった。きっと愛されてるってわかってたから。


そんなママとの大切なお約束が3つあった。お家の壁にはお約束が書かれたままが書いてくれたメモが貼ってあるし、毎日毎日ママに言われていた。


ままを否定しないこと。

毎日あいさつと、大好きは欠かさないこと。

5時に必ずかえってくること。


ちょっぴりさみしがりやさんなママの大切なお約束を物心ついた頃からほとんど欠かしたことはなかった。お約束を破るとママはこれは教育なの!となんども唱えながら私にお仕置きをした。ママが泣きながらそんなことをするもんだから私はとっても悪いことをしたんだって気がついてたくさんたくさん謝った。


ごめんねママ、もうそんな顔させないから泣かないで。


翌朝になるとママは扉を開けてまた仲良くしてくれた。腫れてしまったママの目元を見ると心が苦しくなった。


もう大きくなった私はママを泣かせていない。

ママの笑顔だけを見ていた。

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