@@@と一緒に帰りましょ

冬瀬 攬(Fuyuse Ran)

【0】16:59

不安なくらいに赤く美しくどこか寂しい夕焼けと、市内の至る所に設置された白いスピーカーから鳴り響く17時のチャイム。楽しかった遊びをおわりにして、少年たちは鬼ごっこをしながら帰路もめいいっぱい楽しみ、去っていった。


今日も、 私も帰ろう。 と思い帰路につこうと足を動かしているつもりなのにどうしてか同じ場所に戻ってしまう。そしてまた同じチャイムに心をくすぐられ、帰らねばと思う、そんな日々を繰り返しているような気がしてならなかった。

いつもと変わらない風景のはずなのに、

いつもと変わらない道のはずなのに、

いつも歩いていたはずなのに。


なにか忘れてしまっている気がする気がして、思い出そうとしながら右往左往しているとだんだんと暗くなっていくアスファルトに溶けていくような感覚を覚えた次の瞬間、


不安なくらいに赤く美しくどこか寂しい夕焼けと、市内の至る所に設置された白いスピーカーから鳴り響く17時のチャイム。楽しかった遊びをおわりにして、少年たちは鬼ごっこをしながら帰路もめいいっぱい楽しみ、去っていった。



迷子の迷子の年々ころりよ。

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