リワード開放とBASASHI!

夢神 蒼茫

リワード開放とBASASHI!

 さて、カクヨムをご利用の皆様方、『リワード』をご存じでしょうか?


 まあ、要するにカクヨムに作品を投稿し、その閲覧数(PV)や、あるいはサポーターからの“ギフト”に応じて支給されるポイントの事だ。


 木っ端な物書きにはあまり縁のない話かもしれない。


 実際、毎日、万単位でPVを稼いでいる人気作家に比べれば、稼げるPVなんぞ微々たるものだ。


 しかし、そこは塵も積もればなんとやらである。


 自分が一年間、貯めに貯めた『リワード』、それをついに開放しました。


 ちなみに、貯まっていた『リワード』は“3042”でした。


 これが自分の作家稼業における一年分の稼ぎというわけです。


 少ないか多いかは人それぞれでしょうが、自分にとっては頑張った方かなと言うのが正直なところです。


 そこまで星☆やPVを稼いでいたわけではないので、思った以上に貯まっていたといった感じでしょうか。


 さて、貯まった『リワード』ですが、これを収益化する事が出来ます。


 やり方は簡単。


 自分の“ワークスペース”のページにある“カクヨムリワード”の項目をクリック。


 そこのページの右上に“交換”のスイッチがあるので、そこで“リワード”を交換できます。


 交換するのは“現金”もしくは“Amazonギフトカード”です。


 現金化の場合は銀行振り込みとなり、手数料も取られます。


 しかも、“3000”以上からの交換になりますので、手数料の事を考えると、余程貯めておかないと勿体ないでしょう。


 そのため自分は“3000”以上貯まっていましたが、ギフトカードを選択。


 Amazonのポイント3000円分をゲットしました。


 これが作家業としての初めての印税収入ですかね(暴論)


 さて、早速何か買おうとAmazonにて物色。


 最初から“食べ物”にしようと決めていたので、食料品のコーナーへGO!


 そして、目に留まったのが“馬刺し”。


 お馬さんのお肉だ。


 さくら肉とも言いますね。


 馬と言うと、乗ったり牽いたりする家畜かと思われていますが、実は“食用”として家畜化したのがそもそもの始まりだったりします。


 馬の家畜化は現在のウクライナ辺り、紀元前4000年頃がその始まりとされています。


 その頃の人類は、すでに様々な動物の家畜化に成功しており、ヒツジやヤギ、ブタなどはすでに飼われていました。


 では、それに“馬”が加わった理由とは?


 理由は二つ。


 気性が比較的に大人しく、家畜化がしやすかった事。


 似たような姿を持つ“シマウマ”が家畜化されなかったのは、気性の荒さゆえである。


 もう一つは、生息域の北限が他の動物より、“ウマ”が優れていた事だ。


 雪の中でも行動ができ、雪に埋もれた草すらかき分けて食んでいた。


 ヒツジやヤギだと、雪に埋もれた草は発見する事が出来ない。雪をかき分けるという行為を知らないからだ。


 こうして、寒い北の気候に耐えうる家畜ということで、馬が飼われるようになったのだ。


 欧州北部に広がる草原地帯も、“馬”という新たな食糧源を手にした事により、人類はより北に生息域を確保したというわけです。


 さあ、そんな太古の人類に戻って、馬を食べちゃいましょう!


 と言うわけで、馬肉をクリック!


 が、ダメ!


 良さげと思い、クリックした『馬刺し3種食べ比べセット』、お値段“3398円”!


 足りぬ……。400円ばかし足りぬ……


 しかし、以前使わず仕舞いであったポイントが残っていたので、それを加えればいける!


 改めてクリック!


 購入完了だ!


 さあ、これで我が初の印税収入は“馬肉”に化けた!


 ひゃっはー! 肉! 肉! 馬肉!


 馬刺し!


 BASASHI!


 ヴァサーシ!



「私の愛馬は狂暴です」



 いや、君はヴァサーシやなくて、ヴァサーゴですやん。


 それはさておき、馬刺し到着!


 『馬刺し3種食べ比べセット』、クール便で到着ですよ!


 って、誰じゃ、チルドに入れたバカは!?


 箱に書いてある“要冷凍”の文字が見えんのか!?


 自分のいない時間に届いたのが誤りであった!


 解ける前に、改めて冷凍庫に収め直し、しばしの時を過ごすが良い。


 そして、やって来た誕生日。


 へっへ、今日が馬刺しをいただく頃合いだ!


 朝に冷凍庫から出して、チルドに移す。


 晩飯前には程よく溶けているだろう。


 上赤身50g!


 フタエゴ50g!


 タテガミ50g!


 3種、計150g!


 熊本よりあいを込めて!


 ちなみに、馬刺しと言えば、熊本を思い浮かべる人も多いだろうが、それにもちゃんと理由があります。


 それは加藤清正公!


 朝鮮出兵に際して、清正公は朝鮮半島南東部にある蔚山ウルサンの地に城を築き、明・朝鮮連合軍を迎え撃とうとしたが、城の完成前に連合軍の攻撃を受けた。


 しかも、間の悪い事に、清正公は同じく築城を受け持っていた西生浦ソセンポ倭城わじょうに出かけていた。


 代わりに留守を預かっていた浅野幸長が、連合軍の襲撃を味方が狩猟を行っていると勘違いをして初動が遅れ、大損害を受けるという失態。


 清正公が僅かな手勢で城の包囲を突き崩し、どうにか入城を果たす。


 しかし、ここで問題発生。


 城が未完成なので防備が整っておらず、しかも食料の備蓄がほとんどなされていなかった事に気付く。


 そのため、清正公は援軍到着までの間を食い繋ぐため、愛馬を殺してその肉を食らい、さらには荷造りの縄にしていた“芋茎ずいき”に齧り付いて飢えを凌いだ。


 これが熊本に馬肉食が広まっていく切っ掛けとなったのだ。


 サンキュー清正公!


 そんな熊本からの馬刺しをパクリッ!


 うん、美味しい!


 専用のちょいと甘めの九州の醤油がいい感じだ!


 薬味のすりおろしニンニクは、我が家の畑で採れた物である!


 これまた美味!


 赤身とタテガミを一緒に食べると、これがまた良い!


 赤身のあっさりとした味わいの肉質に、タテガミのしっとりとした脂身が見事なハーモニーを奏で、こちらの頭を刺激する!


 美味! 美味!


 フタエゴももちろん美味しいぞ!


 これまた美味! 美味!


 ちょっとしかないが、それでも3000円分の価値はあったと思う。


 一年丸々貯めたリワードであるが、一瞬で無くなった。


 まあいい。形あるものはいつしか崩れるものだ。


 しかし、“記憶”と言う形なきものは、鮮烈な余韻を残し、いつまでも脳裏に刻まれる事だろう。


 そう、これが自分の、初・体・験!(作家稼業としての)


 馬刺しを見る度に、思い出すに違いない。


 これが「初めての印税収入の味である」と!


 たかだか3000円!


 されど3000円!


 その思い出たるや、プライスレス!


 3000円なんぞでは収まらない価値がある!


 実際、398円、足出てるし(汗)


 さあ皆さんも、貯めたリワードを開放し、一瞬の閃光のごとき思い出を作ってみませんか?


 ついでに、欲望も開放しちゃえ♪


 きっと一生ものの記憶になることでしょう!


 目指せ、あなたも印税生活!



                 ~ 終 ~

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リワード開放とBASASHI! 夢神 蒼茫 @neginegigunsou

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