第11話

「見つけたぞーっ、スイカ」

熱海屋に数の子はじめスタッフ一同が

大挙して乗り込んできた。

「エへへ」

「エへへじゃない。この落とし前どうしてくれる

つもりだ」

「手付金だけでも返しますからそれで

許して」

「どうやって」

「ダイヤモンドが希少価値だからって

50億で売れたの。それでなんとか」

「うっ、まあまだたりないけど。まあいいだろう」

数の子がスタッフとともに50億の現金を

ジュラルミンケースにしまって帰っていったの。


「スイカーっ、おまえの動画とったんだけど

芸能事務所におくっていいか」

村路が性懲りもなくさわぎたてている。

実際、恋人がこれほどアホな場合

異性はどう対処すればいいのだろうか?

悩むところではあります。

「なあ、スイカ―っ」

「空がキレイだよ、村路」

わたしは教室の窓から真っ青な青空を

眺めていた。

         (おわり)

長らくご愛読ありがとうございました。

次回作もおもしろくなるよう努力する

所存ですので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

          (作者より)


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