第3話 キメラ名付けました

 飼うと決めたら一番最初にすべきことは名前を付けることだろう。なぜなら名前が決まっていたほうが愛着が湧きやすいからだ。よし、じゃあ早速決めるぞと意気込んで考えてみた。しかし、いざ考えてみるもなかなか思い浮かばない。キメラかぁ。何がいいかなぁ。キメラなんだから普通にキメラでいいのではないかと思ったが、それでは犬にいぬと名付けているようなものなので流石に無いなと思いまた考え始める。キーちゃんやメラちゃん辺りが無難なのか?とも思ったが、雑すぎるか。であれば見た目から取ってみるのがいいのだろうか。うーん。キメラにしか見えない。真っ白や真っ黒であればシロとかクロとか名付けやすかったのになぁと思う。

 そんなこんなで5分くらい悩んでいると、捨てキメラという言葉が頭の中に浮かんだ。きっと捨てられた子供のキメラからその言葉が浮かんだのだろう。そして、捨てキメラからステキになりステーキでいいんじゃないか!となった。ペットに食べ物の名前をつけるのは一般的だろうと思い、俺はこの捨てられていた手乗りキメラにステーキと名付けた。

 少しして、連想ゲームとしては百点かもしれないのだが、よくよく考えれば連想を捨てキメラから始めたのは人として終わってるなと思い少し後悔しステーキに対して若干申し訳ないなと思った。しかし決めてしまったものは仕方ない

「これからよろしくなステーキ」

と言い頭を撫でるとまた噛まれた。撫でられるのは好きじゃないらしい。ちょっと残念。

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手乗りキメラの飼育始めました 月守夜猫 @tukineko1105

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