第2話 キメラ拾いました
そこに居たのは子猫ではなく小さなキメラだった。キメラ。多分他の人も容易く想像できる見た目のそれだ。体の前の部分がライオンで胴が山羊、そして尻尾が蛇である。どこの異世界から紛れてきてしまったのだろうか。などとくだらないことを考え、次にどうするべきか悩んでしまう。もし他の人に見つかったらSNSで取り上げられるんだろうなとぼんやり考えた。そうしたら研究者が研究対象にして色々な実験をするかもしれない。絶対偏見だが万が一ということがないこともない。それは可哀想な気がする。キメラといってもまだ、子猫並みの大きさである。そんなことを考えているとキメラがくしゃみをした。雨が降っているので寒いのだろう。しょうがないので家の中に入れタオルで拭いてあげる。拭いている最中、蛇に噛まれたがまだ甘噛なのだろうくすぐったいくらいで痛くはなかった。
今後についてどうしようかかんがえていると、キメラがじゃれついてくるので適当に相手をしているのだが、小さいからだろうすごく可愛く思える。キメラといえばゲームやアニメなどでは大概敵役なので見た目も強そうなのだが、実際は可愛らしかった。
俺はバイトをしているしそれなりに親からの仕送りもあるので飼えないことはない。それに言っていなかったが手乗りキメラの飼い方という謎の本がキメラと一緒に段ボールに入っていた。この本を読みながらだったらなんとかなるかなと思い、しょうがない頑張って飼ってみよう。俺はキメラとじゃれつきながらそう決めた。
そうと決まれば、確認しないといけないことがあるので大家さんに連絡を入れた。キメラはペットではないと思うが一応聞いてみる。ペットを飼うのはいいが隣人とのトラブルには気をつけてねとのことだった。どんな動物を飼うかと聞かれたら説明しづらくてまずかったのだが聞かれなかったのでありがたかった。
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