第19話


「ごめんね、勝手に撮ろうなんて言っちゃって」


 俺たちは二階フロアのお化け屋敷の前に来ていた。


 写真を撮った後、完全に脳が機能停止していた俺に舞菜は心配して謝罪をした。


 ただ、俺が一人で壊れただけだから、舞菜は全く関係ない事だ。いや、少しは関係あるかもしれないけど……


「別に、嫌だったわけじゃないから、き、気にしないでくれ」

「そう。それならよかった」


 舞菜は安心したようにほっと胸をなでおろした。


「じゃあ次は、このお化け屋敷に行こう!」


 そう言って舞菜は意気揚々と二階フロアを丸々使ったお化け屋敷に足を踏み入れた。


 やっぱり舞菜の高いテンションは変わらないままのようだ。

 俺に対して二言前は申し訳なさそうにしていたのに、凄い気持ちの切り替えの早さだ。


 ただ、ずっと申し訳なさそうに静かでいられるのもやりにくいから、舞菜のやり方の方がいいのかもしれない……。


「はいはい」


 ずんずん進んでいく舞菜についていくように、俺もお化け屋敷へと入っていった。

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