時空を超えるカフェテリア

ねむいやつ

第1話

空は高く、雲一つない晴れ渡った日。街の片隅にひっそりと佇むカフェ「ミレニアム」に、奇妙な噂が流れ始めていた。このカフェには、時に不思議な力が働き、客を過去や未来へと導くというのだ。


主人公のユウトは、そんな噂を耳にし半信半疑で「ミレニアム」のドアを押し開けた。店内はレトロで落ち着いた雰囲気。壁には古びた時計がかけられ、その針はゆっくりと、しかし確実に動いている。


「いらっしゃいませ、何をお召し上がりになりますか?」 カウンター越しに微笑むのは、名札に「時子」と書かれた女性。彼女の目は、どこか遠くを見ているようだった。


ユウトはメニューを一通り眺めた後、「未来のコーヒー」と書かれた一品を指さした。時子は微笑みながら厨房へと消え、やがて香ばしいコーヒーの香りと共に戻ってきた。


「こちら、未来のコーヒーです。一口飲めば、あなたの未来が見えるかもしれませんよ。」


ユウトは半信半疑のままコーヒーを口に運ぶ。すると、目の前の景色が変わり始めた。カフェの壁が透明になり、そこから見えるのは未来の街並み。飛び交う車、高層ビルが立ち並ぶ光景。それは、まるで映画の一場面のようだった。


驚愕するユウト。しかし、それも束の間、景色は再びカフェの内装に戻り、時子はいたずらっぽく笑っている。


「いかがでしたか?未来は思いのほか、素敵ではありませんでしたか?」


ユウトは深くため息をつき、コーヒーカップを置いた。未来が見えたのか、それともただの幻だったのか。しかし、一つ確かなことは、このカフェには確かに不思議な力があるということだ。


そして、ユウトはまた明日も「ミレニアム」を訪れることを決めた。未来も過去も、このカフェでならば、きっと何かが変わる。そんな予感がしたからだ。

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