ジャージで来て仕事場のジャージに着替えるかんじ

明鏡止水

第1話

介護•福祉関連のお仕事。


最初の4月のエッセイには「毎日辞めたい」と書いてあって、


マジかよ?!


と、驚愕の5月半ばに入る明鏡止水です。


そんなに辞めたかったっけ? 理由が思い出せない。


優しい先輩の下について(厳しい人や挨拶返してくれない人もいるけど)、今のところのんびり教わりながら。


「次の月から早番•遅番が入ってくるからねっ!」


と楽しく言われて。


もう?!


とまたしても驚愕しております。


入って3ヶ月たったら夜勤もあるよ、と言われていたから別におかしいことじゃないか。


と、思いながら働いております。


それにしてもお年寄り、意外と目が離せない。


人間というのはね。

赤子から始まり、赤子に返ってゆくのだよ。


歩行器を使うこともあれば。

下に落ちた物を取ろうとかがむ動作だけですってんころりん、となる事を防ぐ。

歩くのも大変。

歩き出すのも大変。

お風呂だって自力で入れなかったりする。


赤ん坊てのは大抵柔らかいけど、お年寄りは拘縮とかいうのがあったりして、なんだかなあ。

植物のようですね。柔軟から堅固といいますか。


考えさせられるものですが。

最近ポツンと一軒家とかそういう番組でお年寄りが自力で動いてくれて排泄や着脱をしてくださるだけで、


ありがとうございまーす!!!!!


という感じです


ありがとう、は「有難い」ことが、「有る」こと。

それへの感謝。有ることが難しいって、なんやねん、難い、ってなんやのん、と思いますが。

人生、いろいろ。


ところで明鏡止水、履けなくなったズボンや、母がバーゲンで買った着ない服等。断捨離しました。もう7年近く使っていた羊柄のお気に入りの毛布も処分しました。母にちょっと前に捨てろと言われて断固拒否していたのですがね。


ぷちっ、と切れて、ビバホームで買ったその毛布を捨てることにしましたよ。

さよなら、ひつじ……。


ゴミ袋一袋半は衣類や毛布を捨てましたね、じゃあ、部屋はスッキリしたのかというとこれがまた



って感じです。


あらかじめクローゼットにしまってあった物をちょっと捨てただけで、衣類を仕舞うスペースが空いただけ。


中途半端に上段に空白ができたようなものです。


服を新調するのも大変だしな、と。


日々をジャージで生きています。

ジャージを身に纏い、ジャージと共に寝食を共にし、ジャージで職場に向かい。

職場もまた、ジャージのような作業服を着る感じを想像してください。


どうすんねん。どないしたいねん。ジャージで人生終える気か?


楽な格好で生きている。

お腹苦しくなくて楽。

今はそれでいい。


ところで明鏡止水、自信を失います。

アルバイトで週に一度くらいのスーパー人当たり抜群、お年寄りも人の扱いも心得た若い子に負けております!


よし、ライバルだぜ!!


微妙な距離を取りつつ、さて、いい意味での敵意と好敵手への熱意と、なんか仲良く連携プレー取りたい気持ちが錯綜している!


お仕事に張り合いが出てきましたが。


明鏡止水、口腔ケアなるものに大苦戦しております。


遅番や夜勤の人との見事なタッチを決められるのか。


今後もお仕事続けられたらいいぜ、あと、お仕事のランキング? なんていうんだ? 優先順位? 取捨選択? 一番は利用者最優先なんだけど。


なんていうんだ。


〈コツ〉、掴みたい。


たとえば利用者さんの義歯をポリデントで洗浄する曜日が決まっている。


明鏡止水はだいたいそれを毎回忘れる。


食事後の口腔ケア後に義歯を利用者様から預かり、


ポリデントせねばっ!!!!!


と意気込んで、食事を終えた人たちにガーグルベースンや歯磨きセットを提供し義歯を預かり、歯ブラシでキレイにしてから、さあ、ポリデントの錠剤を容器の中へパッケージを千切ってポトン、ポトンと。


「それ今じゃなくていいから!!」


そして高速で口腔ケアをしていく先輩(偉い人)。

ガーグルの数は限られており、先にトイレ誘導する人から口腔ケアすると遅番や夜勤の人との連携がスムーズだとか色々あるが。


それにしたって目にも止まらない速さでせかせかした動きを見せられて、……明鏡止水は思う。


コツが掴めん……。


先輩たちの中ではもう最適解ならぬ最適速度と最適利用者ルートと更にアクシデントへの対応が出来上がっておる。しかも出来上がるだけでなく視野は広く保ったままだ。


全体をみろ。


とな。


……、……。

その時その時は「はい!」とイエスマンですが。


家に帰って、ご飯食べて、持病の薬飲んで、ごろんとなってカクヨムたっぷたっぷしながら思う。


超人か……。


全体を見るなんて、まだまだ明鏡止水には難題です。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ジャージで来て仕事場のジャージに着替えるかんじ 明鏡止水 @miuraharuma30

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ