明日、ライブで会いましょう

クリスマスライブ

クリスマスライブ

あの宣言から5ヶ月ぐらい経ったのかな。

来月はもうクリスマスライブだな。私は飛び級テストに挑戦したものの、落ちてしまった。チャンスは後一回。絶対にセンターになると決めた。決めたのに。

クリスマスライブはこのままだとはじっこでみじめな姿を見せることになる。

やっぱり辞めようかな。他の事務所に入ろうかな。macomoniは一回センターから外れたら、取り戻せないぐらいの競争事務所になっている。私が入った時はみんな仲良くしてたのにね。今じゃあセンター討伐事務所になってる。そんななか、私みたいにセンター取り戻す！とか言ってる人は私だけらしい。

そんなこと言われても頑張る人は私だけ。私は特別な人、そう思い込んでレッスンをしてる。

そんなこんなで今日が最後の飛び級のチャンスになった。

美優と一緒に審査室に行って、申請書を書いて、社長とマネージャーたちを呼んで、パフォーマンスをする。もう7回ぐらいやってきた工程だ。

次の日、社長に言われた結果は、

「美羽、お前正直センターは厳しいぜ？」

ガクッ

絶対に言われたくない言葉を言われてしまった。

しょーじき自分の中でも分かっていた。

もう今の美優には勝てないってね。

それでも諦めたくなかった。

自分の負けなんかを認めたくなかった。妹には負けたくなかった。

なのにさ、社長に言われちゃったらさ、もう無理じゃんか。

レッスンが終わって家に帰ってご飯食べてお風呂に入る。歯磨きをして明日の予定を確認する。来週はクリスマスライブだ。ファンの前で惨めな思いをするのならいっその事芸能界から姿を消そうかな。

そんな事を考えてたらいつの間にか、部屋に光が差し掛かっていた。

あれ？もう朝になっちゃったのか。結局寝れなかった。くまが酷いことになってるからファンデーションで隠す。いつも通りの朝を過ごして学校に行く。

放課後は友達からの誘いを断って事務所で練習。

これが私の人生。

いくら死にたくなってもセンターのためだけに頑張ってたのに。これじゃあ、社長に言われたんじゃあ、無理じゃん。アイドルっぽいポジティブさゼロは私は昨日の社長の言葉をまだ引きずっていた。