第2話シーニー、決 前編
待っててね。
ある日、
◇◆◇◆◇◆◇
「おーい、シーニー起きてよーもう夕方だよおー」
間延びした声で、チョウラがシーニーに言う。
「夕飯、確実に冷めたな」
「なんか今日のシーニーおかしいよーこんなに言ってるのに起きないなんてー」
「あの女のせいだろ」
「そーかな?」
「絶対そう」
ホワスはシーニーを起こすのが少々めんどくさくなったので、壁に寄りかかり適当にしゃべる。ただシーニーが起きないのは珍しいな、と思いさっきからシーニーを見ている。なお、チョウラはシーニーの
「起きないな」
「うん。全然起きない」
「じゃあ、あきらめろ」
ホワスは完全にあきらめる。チョウラもあきらめて、しぶしぶ自分の部屋に帰っていく。ホワスも続いて行こうとして、シーニーを見ながら扉へと向かう。そして、ドアノブに手をかけた、丁度その時、シーニーの目がスッと開いた。
「あ、起きた。」
「ん、、、、あれ?なんでこんなとこに居るの?」
シーニーが寝ぼけた声で言う。
「あー!シーニー起きた!」
いつの間にか戻ってきたチョウラが言う。
「なに?二人して起きた起きたって。んで、なんで私はここに居るの?」
「ゴホン、、」
チョウラがわざとらしく咳払いをする。
「えーっとお、まずきつねの女の人の話を聞いた後しばらくその部屋にうちらはいたんだけど夕方くらいにもう寝ましょってことのなって部屋に帰ってねて朝起きてここに来たらシーニーがソファーに突っ伏しててあさずっとホワスと二人で起こそうとしてたのっ。ふう~」
一気に一息で状況説明をするチョウラ。ホワスは最初の咳払いがいるのかが気になった。シーニーはなんとなくわかったところで眠気が吹っ飛んだらしく、布団から出てきた。
「最初の咳払いいる?んでもって一息でいう必要あった?」
ホワスの考えていたことをシーニーが全て代弁してくれた。
「咳払いは正直自分でもいらなかったかなって感じ。」
(いらないんかい)
「一息で言ったのは?」
「その辺は、うちの勘。」
「そこに勘が働く余地はないと思うけど」
「てか働かないだろ、普通」
「そお?」
「うん」
「「「、、、、、、、、、、、、、、、。」」」
「あー、私着替えてくる。」
しばらくの沈黙ののち、シーニーが言い出す。
「んー」
形だけの返事をして部屋を出る。チョウラもそれ以上いうことはないらしく、ホワスに続いて部屋を出て行った。
「あ、そうだ、ホワスはさあ、あの女の人の話、どー思う?」
「俺は無理だと思う」
「えー、そお?」
無理に決まってんだろ、とは言わない。まだできる可能性もまあないことはない。少ないだけだ。あるのかもしれない。
「うちはできると思うなあ」
「どうしてそう思うの?」
「うちの勘」
(またそれかい)
まあいいや、と思いながら自分の部屋に入る。チョウラは手を振って向かいの部屋へと歩き出した。ホワスは扉を閉じ、布団に倒れこむ。棚にある地図を取り出し広げてみる。
あの女の言っていた場所は確かヒルアスかなんかだった気がする。考えてみればあそこは、戦争がまだ続いている都市だったはずだ。そこに魂石を持っていくとなると何か意図がある気がする。ヒルアスは西側、魂石のある鉱山は国の反対側。
(要するに遠い)
どのぐらいかかるのか。シーニーがどう思っているのか。そもそも何が目的なのか。
(あー、ごちゃごちゃする)
「その辺はシーニーに任せよ」
ホワスは大きくあくびをする。布団に寝転がってすぐに、
エルフ✖️魂 @nikora2013
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