第3話 もう死にたい、と思っている君へ

 どうもどうも、わっちゃんです。

 なんとか今日も生きてます。

 きょうはですね、ちょっと考えて、このタイトルをつけてみました。

 まず、言っておくのはいつものフレーズ「生きろ」を今回は使わないつもりです。

 つらいですよね、死にたい、と思ってるときの楽観的な言葉。

 うるせーってなりますよね。

 私自身、よくわかってます。

 受験に失敗したり、いじめを受けたり、いろいろありましたからね、ヤングのころは。

 実行に移す勇気はなかったけれど、そういった願望はありました。

 もうアラサーになって、いろいろ周りを気にしなくなってきて(ずーずーしいオバサンにならぬようにせねば)けっこう楽になってますが。

 成人するまでに死ぬ気でいたのにね。もう29ですよ。ぺたんこだったおなかも肉がつかめるくらいになり、白髪もちらほら見え、もう笑ってられないほど老化してます。へへへ。

 さておき、きょう、このテーマで第3話を書いているわけですが、どうしてかというと「なんか生きててよかったんじゃないかなー」と思う出来事があって、それを、今悩んでる人に、ちょこっとハッピーをおすそ分けしたいと思ったからです。

 何かの一歩になってくれたらなと思います。

 さて、私の一日ですが、午前から午後まで就労移行支援でプログラムを受講し、12時に施設を出る。

 その後、外食してから施設近くの精神科で診察、でした。

 電車で通っているので、電車賃も考えて外食してそこで済まそう、ということで。

 ひとりランチ。

 でかい壁ですねー。

 皆さんは、一人でお店に入って食事することって苦手じゃないですか? 

 私はなぜか大の苦手なんですよ。

 なんか、とてつもなくハードルが高いんです。

 しかし、きょうは電車賃だの時間だのの関係で外でお昼、ということで「ひとり焼肉専門の某チェーン店」に行ってきました。

 どこかわかる方もいるんじゃないでしょうか。

 どこの店舗とかは伏せますが、都内とだけにしておきます。

 きょう、まあ、その人生で初めて「ひとり焼肉」に行ったんです。

 わ、わかんねえ、どこ座るんだと思っていたら、店員さんが「お好きな席どうぞー」と言ってくれました。

 カウンターにはお客さんがずらりと並び、一心不乱に肉を焼き、ごはんを食べています。

 私はぽつぽつ空いている、人と人との間にちょこんと座りました。

「当店初めてですか?」

 店員さんが聞いてくれます。

 むむ、まあ、おどおどしてたからな。

 お昼時だろうに、店員さんは、お箸とおしぼりはこちらの引き出し、お水はこちらからセルフで、と説明してくれました。

 親切だな、と思いました。

 ありがとうございますとお礼を言い、タッチパネルで注文します。

 そして、お肉やごはんの乗ったトレイを受け取り、さあ、焼きます。

 焼くぞ、と思った時です。

 あれ、これ、どうやってコンロに火つけんだ?

 いや、説明してくれたけど、ん?

 ボタン二つあるぞ?

 ぽちぽちしても、着火しません。

 すると、隣に座ってたお兄さんが不意にこう言いました。

「これねー、同時に押すんだよ」

 そして、いとも簡単に着火してくれました。

 私がぺこぺこしたのは言うまでもない。

 このお兄さんが隣じゃなかったら、私は生肉を食べていたかもしれません(おいおい)。

 火をつけてくれたお兄さんは、私のお礼に薄く笑って、また自分の肉を焼きます。

 私も、正面に向き直り、じゅうじゅうと焼きました。

 ミックスカルビです。一番安いのです。

 なんか、こう、じーんときました。

 やさしさに触れた感じがしました。

 お兄さんは、赤い顔でだいぶ酔っているようで、テーブルにはお酒がありました。

 私はお水を注ぎ、それをぷはあと飲み、肉を焼き、ごはんをほおばりました。

 おいしかったです。

 白ご飯がもりもりすすみます。

 途中、お兄さんが席を立ち、たぶんトイレに行ったのでしょう、その間に、私はセルフお会計をして店を出ました。

 ありがとうございました、と心の中でもう一回言いました。

 外はじりりと暑くて、半そででも汗をかくくらいです。

 口の中はまだ焼肉の味がします。

 心には、優しさがしみています。

 もどかしくて困ったオバサンだと思われたのかもしれませんが、火をつけてくれたことに、とても感動しながら、歩きます。

 それから病院で診察を受け、帰宅し、休憩してから、この文章を書いています。

 書きながらまたじんわりきてます。

 なんか、いいエピソードだよなあ、まあ、自分がふがいないとも思うが……。

 さて、というわけで、まとめに入ります。

 え? と思われるかもしれませんが、今、死にたいと思っている人に、伝えたいのは今日の出来事だけです。

 生きよう、いいことあるさ、とは言いません。

 ただ「平日の昼間にひとり焼肉に行ったらお酒飲みのお兄さんに火をつけてもらった、焼肉おいしかった」というだけです。

 人生訓とか言える立場じゃないですし、拍子抜けしてしまったら、すみません。

 死にたいとか、もう消えたい、ってときは、とりあえず、何か少しでもおいしいものを食べると、いいかもしれません。

 いろいろ、このサイトで交流できたらな、と思ってます、コメントは必ず読んでお返事します。

 文字だけの場で、お話できたらな、と思ってます。


 きょうもなんとか生きのびたので、また後日、お会いしましょう。

 ありがとうございました。

 

 

 

 

 

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