第3話

20時前


 「そろそろ会議の時間ですねぇ」


 私はいそいそとゲーミングチェアに座りパソコンを起動する。今の服装は寝巻きとして使ってたダボダボパーカー1枚と緩めの短パンだけ、体型が変わったせいで着れる服が殆ど全滅したからだ。ちな、下は何もつけてない。


 「Vのモデルはつか……わなくていいでしょう、Vの身体になってますし」


 本来ならこういった会議でもVの姿で参加するが事が事だからそのままの姿で入室ボタンを押して会議に参加する。


 画面に映し出されたのは私合わせて8人の顔が映っているが、私以外の6人はVの姿で参加しており、後期生は音声のみの参加らしい。


 「お待たせしました、狐神玉藻参加しました」


 音声確認も兼ねての挨拶をすると静かになった。


 「あれ、皆さんどうかされました?」


 すると同期のエルフが


 「キツネちゃん? え、リアル映像?」


 勇者が


 「リアルケモミミキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」


 魔王が

 「ふわふわ尻尾モフりたい」


 ドラゴンが

 「まじか、玉藻も変化したか」


 女神が

 「あら、食べ頃かしら」


 侍が

 「( ゚д゚)ポカーン」


 ナニコレ


 後輩もざわざわと騒ぎ始めるが


 「静かに、会議を始めますよ」


 顔を出してる最後の一人社長が発言し静かになった。


 「これより緊急会議を始めます。会議内容は今起きてる事についてです。今回、皆さんが報告してくれた内容はすべて目を通しました。狐神さんを見ての通りVの身体になってしまった、他の人が聞いたら呆れられる内容ですが、今起きてるのが現状です。」


 やはり、私以外もVの身体になってるんだ。


 「そして、報告すべきことがあります。我が社以外で同じ事がおきた事務所がありました。」


 え?


 「大手アイドルVTuber事務所MILLIONLIVEprojectのライバーも同じ現象が起きてます。」


 「会議が始まる迄に各方面に情報収集をしていましたが、個人ライバーと他の事務所はこのような現象は報告はありませんでした」


 「なぜ我が社とMILLIONLIVEだけなのかはわかりません。ですが、向こうの社長と話し合いました。」


 「話し合った結論ですが」


 社長は一息つき言葉を紡いだ


 「今まで通りでいこう」


 その言葉を聞いて困惑する


 「こんな状況で困惑してる人も多い、そんな中僕たち上の人間の考えを押し付けたくない、これまで通り配信活動してくれてもよし、この状況をネタにしてもよし、落ち着く為に休止してもよし、この後のメンタルケアにも力を入れる予定だ。だが、」


 社長が目を伏せる


 「一番の問題は身バレだ」


 その言葉に動揺する


 「今の君たちはVの設定、モデルが反映されている。ここには人間以外にも人外設定のライバーがいる。外に出たら一発でバレてしまうだろう。」


 後輩のライバーが発言した


 「コスプレってことでなんとかなりませんかね」


 社長が首をひねり


 「1日くらいなら誤魔化しは出来るだろうが、それが続くと怪しまれる」


 「この件に関しては、向こうの社長と話し合いう予定だよ。向こうも同じ悩みだろうし、むしろ向こうの方が深刻だよ。女性ライバーしか所属してないからね」


 確かに、外に出られないのは一番の問題だ、私も狐耳と尻尾があるから外に出られない


 「外に出られない人がいたら各担当マネージャーに連絡してほしい、必要なものは届けてもらうようにするから」


 「でもそれだとマネージャー忙しくなってしまうのでは」


 私は咄嗟に発言をした、朝の電話でさえ忙しそうにしていたのに、これじゃぁ可愛そうだと思ってしまった。


 「マネージャーたち何だが妙にやる気になっていてね、頑張ったらご褒美貰えるって意気込んでたよ。まぁ、彼らには給料とは別に特別支給とボーナスアップをしようとしてたけど、なんでなかぁ、どっかで漏らしたかなぁ」


 あー……、あれ、彼女マネージャー以外もやらないといけないの? てか、他のマネージャーに見られたの!?めっちゃ恥ずかしい


 「あー、うん、まぁ、彼らの事は僕達の方でなんとかするから。時間も1時間たったからそろそろ終わりにしよう。あと、最後伝え忘れてた」


 「って言うと自身のステータスが出てくるみたいだよ」


 それではお疲れ様。そう言い社長は退出していった。


 

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Vの姿になったけど配信します!〜現代にダンジョンが出てきたけど私は行きません〜 神無月 @yamat10

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