第十一話 タダよりも怖いものはない!
翌日、俺は装備を整えて再び冒険者ギルドへと赴いた。
とりあえず自分がどの程度の実力なのかが分からない以上、冒険者として討伐依頼なんて受けてうっかり死んじゃいましたじゃあシャレにならん。
最初は無理のない程度の採取依頼などをこなしていこう。ゲームのお使いクエストってやつだな。
てな訳で俺は今冒険者ギルドの掲示板を見ているのだが…。
文字が読めない…。
会話に関しては何の違和感もなく日本語で通じているのに、文字に関しては一切読めん。
これだと依頼書に何が書かれているのか分からん。受付のお姉さんも忙しそうだし…。
「あのー」
俺が掲示板の前で悩んでいると、後ろから緑色の長い三つ編みの女性が話しかけてきた。一見すると冒険者っぽい恰好だった。
「あ、すみません。掲示板の前で邪魔でしたよね」
「いえ、そうではなくて何かお困りのようだったので」
お、これは新しい展開の予感!
「お恥ずかしい話、書かれてる文字が読めなくて」
「それでしたら私がお手伝いしましょうか?」
こんな美人に親切にしてもらったらトキめいちゃう。
「どんな依頼をお探しですか?」
「初めて受ける依頼なので、採取依頼とかあれば受注したいと」
「採取依頼となると、このエマルダの森に咲くというペナペナ草の採取依頼なんてどうでしょう?」
確かエマルダの森って言うとここゼビロス共和国に来る途中に通った森だな。まあ護衛付きの馬車に乗って通り抜けただけだけど。
ただ、肝心なペナペナ草に関しての知識がないのが問題だな。
「もしペナペナ草の採取に不安があるようであれば、私が一緒に行ってお教えしましょうか?ペナペナ草の自生地も知ってますし」
「え!いいんですか!」
「困った時は助け合いですから」
彼女の笑顔がまぶしすぎる。ようやく異世界に来てまともなエロライフが送れるかも。
「俺の名前はテツといいます」
「私のことはアーシーとお呼び下さい」
そんな訳で俺たちはエマルダの森へと向かった。
エマルダの森へは歩いて3時間程で到着した。
ペナペナ草の自生地もアーシーさんの案内によって難なく着いた。
それにしても、この森に来る間にも数体の魔物を見かけたが、つくづくここが異世界なんだなっと実感する。
ただ、異世界なのに街には猫や犬もいるし、馬もいるってのは気になるところだが、この世界の生態系がどういうものなのか少し気になったが、それよりも今はアーシーさんの方が気になるなぁ。
でもなぜだか息子が反応しないんだよな。
普段だったら美人が横にいるだけで反応するのに。
まあ魔物が生息しているような場所にいるから息子も自重しているのかな?
ペナペナ草の採取も終わり、街へと戻った。
「アーシーさん、今日は本当にありがとうございました」
「いえ、困った時は助け合いですから。私も冒険者になりたてだった時は他の冒険者の方に“色々と”教えてもらえましたし」
なんていい人なんだ!ゼビロス共和国に来てよかった!
「もし良かったらなんですけど、今夜一緒に食事でもしませんか?私結構料理得意なんですよ」
これは完全にフラグが立った!
異世界に来て2か月余り…ようやく童貞を卒業できるのか!
俺はアーシーさんと共に軽く買い物を済ませ、アーシーさんの家へと向かった。
「狭い所ですけど、ゆっくりしてて下さい。今食事作っちゃうので」
うおー!!これが女性の部屋!ってなんかイメージとは違って殺風景な感じではあるけど、アーシーさんも冒険者だって言ってたし、ここも仮住まいなんだろう。
でも、いい匂いがする!ここはまぎれもなく女性の部屋だ!
ソワソワしながら待っていると、アーシーさんが食事を持って戻ってきた。
「お待たせしました」
「おおおぉぉぉぉぉぉ!!!」
これが女性の手料理!女性の手料理とか実家の母さん依頼だ。母を女性とカウントしていいかは分からんが。
「いただきまーす!!」
俺は勢いよくスープを口にした。
そして意識を失った。
「ウフフフ…美味しそうなオシリ」
うう、何がどうしたんだ…。
アーシーさんが作ってくれたスープを飲んだ瞬間に意識を失って…
「アラ、ようやく目が覚めたのね」
なんだこの状況は!
俺はベッドに両手両足を縛り付けられていた。それも全裸で…。
「えっと、これは一体どういう?」
「逃げられないように縛ったんです」
「何故逃げられないように?」
「だって、私の本当の姿を見た人はいつも逃げてしまうから」
「本当の姿?」
そういうとアーシーさんは纏っていたローブを脱いだ。
アーシーさんには本来ない物がついていた。それも俺よりもデカい…。
「アーシーさんはまさか…」
「男です」
んんんんんん!!?
アーシーさんが男!だから俺の息子が反応しなかったのか!
それよりも、どうしてそんなにもビンビンなんでしょうか!
「最初は痛いかもしれないけど、すぐになれるから安心して。私も先輩冒険者に優しくされて今ではすっかり“両方”イケるようになったから」
「おおおお、俺は恋愛対象は女性だけなので折角ですけどご遠慮します!」
「これは恋愛とは違うから。マッサージの一種だから気持ちよくなるだけだから安心して」
「確かに昔■■線マッサージに興味を持ってエ■■■ラを試した事はありますが、ただ痛かったイメージしか!」
「エ■■■ラ?何のことか分からないですけど、痛いのは最初だけだから一緒に気持ちよーくなりましょう」
童貞卒業する前に処女を失う事になるのか!そんなの嫌すぎる!!絶対にいやだぁぁ!!
「え?」
ん?
「私の…ぺ〇スが…消えてこれは…女〇器?」
「見たか!SSSスキルイマジンの力!」
「ようやく…ようやく本物の女性の肉体になれた!」
んんん?
どうも状況が分からないのだが…。
「なるほど…話は理解しました」
どうも俺はアーシーさんに先日のチンピラとのやり取りを見られていたらしく、その際にチンピラを女体化させたのを見て、自分も女体化するために俺に近づいたのだという。
「私は昔からこんな顔だから女の子に間違われることも多くて、次第に私自身も女性に対しての憧れが増していったんです。でも女性になることなんて出来ないから、恰好だけでもと思って諦めていたんですけど、テツさんの魔法を見てこれだって思ってこういう事に…」
女性に憧れている人間が何故あんな凶悪なモノで俺の処女を奪おうと…。
「さっきのは全て演技なんです。脅したら例の魔法を使ってくれるかなって思って」
その割にはギンギンだったような気がするのですが…。
兎にも角にも俺の処女は守られた。
それからというと…。
「テツさんおはようございます」
「アーシーさんおはようございます。今日も一日よろしくお願いします」
俺たちは冒険者としてパーティーを組みました。
【修正版】SSSスキルイマジン(妄想現実)で世界最強!エロいことしか取り柄のないエロソムリエの異世界成り上がり物語。 @gasaihajime
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