第十話 男はダメだけど、オチ○○ンの付いた女の子だったらOK!

 サランサの一件の時、俺はどさくさに紛れてパンゲア王国から遠く離れた別大陸にあるゼビロス共和国へと逃亡していた。

 サランサでは結局再起を狙って大人アイテムの販売で財を成していたが、パンゲア王国の人間や、モルモルカにも見つかってしまった。

 今度こそはタイトル回収をするべく、心機一転このゼビロス共和国という新天地で成り上がっていこうと思う。


 そもそも、どうして俺がこのゼビロス共和国を新天地に選んだかというと、この国はダンスラット大陸の中でも一番の国土を持ち、大陸内外に多くの交易国を持つ流通の要の国という事と、それに伴ってこの世界の情報が集まってくる場所だからだ。

 俺がこの世界に来てからしたことと言っては、金髪国王に殺されかけ、暫定勇者とか言われて魔物の前に放り出され、ヤバイ魔王と謁見して、大人アイテムをひたすら生成して財を成したということぐらいだ。

 この世界に来てから2ヶ月程が経つが、この世界について俺は何も知らないに等しい状態なのだ。

 だからこそ、情報の集まるこの場所でこの世界の勉強と、新しい生き方を探そうと思ったのだ。


 大人アイテムを売って得た金で多少懐事情には余裕があるので、ゆっくりとやって行こう。


 まずは情報収集をしたいところだが、こういう異世界系の世界観で情報収集するとなるとやはりアソコしかないだろう。


「冒険者ギルドにようこそ!」


 やはり異世界での情報収集と言ったらココだ!魔物とかいる世界観だし、絶対にあると思ってた。


 受付のお姉さんも美人で俺もニンマリ。この世界って基本的女性に関しては美形揃いなんだな。


 この世界においての冒険者ってのは、魔物の討伐依頼をこなしたり、ダンジョンなんかの探索や、素材採取、護衛任務等と色々とやっているらしい。

 この世界ではマナの恩恵を受けやすい女性の方が要職に付くことが多いらしく、ロクな仕事にありつけなかった男がなるのが冒険者って感じらしい。


 ただ最近は男性の間でも強化アイテムの効果によってメキメキと実績を詰んでいる人もいるとか。

 強化アイテムと聞くとやはり俺の生成したアレを想像してしまうが、男がアレを使うというのはあまり想像したくないものだ。


 てなわけで俺は早速冒険者としてギルドに登録する事になった。


「まずは現在のステータスの確認をしますので、奥の方にどうぞ」


 俺は受付の奥の部屋に通され、部屋の奥の壁には一枚の大きな鏡が掛かっていた。


「その鏡を覗くと、あなたの現在のステータスを見ることが出来ますので、鏡の前に立っていただけますか」


 はいはい、どうせステータスは召喚された時に鑑定されて知っているんだけどね。まあ確認だからしから仕方ないか。


 どれどれ…

 知能E…

 体力D…

 マナ値S…

 魔法特性S…

 運S…


 って知能下がってる!

 ってよりも前回とステータスが変わっている!


「マナ値と魔法特性と運が“S”!!知能と体力は残念ですけど、A級冒険者レベルのステータスですよ!知能は残念ですけど…」


 なぜ知能残念と二回言った!


 そもそも、このステータスってのはなんなのか?今迄に実感したことがないんだが。俺は思い切ってギルドの受付のお姉さんにステータスについて聞いてみた。


「ふむふむ…そういう事ね!全然理解できないけど、まあOKです!」


 お姉さんは知能がEの俺でも理解できるように丁寧に説明してくれた。


 まあステータスってのは生まれ持っての才能的なものらしく、例えば知能がEの人間とAの人間がいるとした場合、同じように勉強しても物覚えのスピードが違うという事らしい。

 潜在能力的な感じだ。

 となると、俺のステータスが最初に鑑定された時と、今鑑定した時とで結果が異なるのは疑問に感じる。

 受付のお姉さんに聞いてもステータスが途中で変わるという事はないとの話だったし。


 とにもかくにも、俺は無事冒険者として登録する事ができた。

 駆け出し冒険者はEランクから始まり、最上位だとSランクってのがあるらしい。

 俺のSSSスキルイマジンを持ってすればSランクも実現可能な気がするが、あまり目立つのもパンゲア王国の時の二の舞になるので目立たずに過ごしていこうと決意し、冒険者ギルドを後にした。


 そしてその直後…


「痛て!てめえどこ見て歩いてやがる!!」


「兄貴大丈夫ですか!ああ、これは完全に折れてやがる!同士てくれんだぁ!!」


 いきなり変な輩に絡まれてしまった…。正直俺はビビりなので、泣きたい程に怖い!


「ご、ごめんなさい!で、でも当ってきたのはそっちからかと…」


「なんだと!兄貴が自分からぶつかったって言うつもりか!」


「い、いやそういうわけではないのですが…」


 もういや、逃げ出したい…


「ゴンザ、その辺で許してやれ。この兄ちゃんは冒険者になりたてで浮かれてたんだろう」


 え?以外に優しい人?


「ここは一つ小銀貨一枚で許してやろう」


 ですよね!優しい訳ないですよね!


 ここでいつものスキルイマジンの力を使ってどうにかしたいが、女性相手じゃないのでイメージが浮かばない…。流石のスケベリストの俺でも同性相手には興奮出来ない。あ、ちなみにオ■■チ■が付いている女の子だったらイケる口ですが!


 ん?待てよ!


 閃いた!!


「てめえ!せっかく兄貴が優しく示談してやろ…うとぃて…なんか身体が熱くなって…声も変な感じに…。兄貴!ワテ何か変じゃありませんか…!?兄貴がバインバインのギャルになってるぅぅぅぅ!!」


「ゴンザ!お前も清楚系美女になってるぞ!!」


 二人は女体化したのだった。


「な、なんだこれは!もしかして変な魔法の効果なのか!」


「ど、どうしましょう兄貴!」


 二人は店の窓に映る自分たちの姿を見ていた。


「ワテってこんなに美人だったんですね…」


「俺も…こんなにバインバインに…」


 二人が自分の変貌ぶりに気を取られている間に俺は、その場を逃げ出した。


 そんな逃げ出す俺のことを物陰から見ている、緑色の髪をした美人冒険者がいた。


「不思議な魔法を使う人がいるもんなんだなぁ…あの人ならきっと…」


 俺はまた何かのフラグを立ててしまったようだが、それを知るのはまた次回。

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