昇らぬ太陽

才能

　才能とは何だろう。持って生まれた何かだろうか。明確な答えは分からないが、私が人生の経験を通じて辿り着いた結論は、「どんな状況になろうとも変わらない習慣になっている行動パターン」だ。20歳という若さでそれに気づいてしまった。良い言い方をすれば、「稀有な着眼点」、悪い言い方をすれば「周囲と同じものの見方や考え方が苦手」ということだ。

　人間の人生は、社会に出るまでは逆三角形のように形成されていると思う。つまり、三角形の一番長い底辺にいるほど、人生の中で向かい風に遭いにくいということだ。逆三角形というのは、社会に入るまではこの一番長い底辺が上にあり、自分は周囲と同じ価値観でいる。そのうち、価値観が違うことで周囲から弾かれ、一段下の若干人数の少ない層に放り込まれる。ここでも価値観や着眼点に共通項がないとさらに少数派の領域に落とされる。そして、一番下の「とがった部分」に放り込まれた人間が「つまはじき」や「いじめ」の対象になる。

　しかし、社会に出ると、この逆三角形は普通の三角形に戻る。新入社員や企業人、ジェネラリストが一番長い底辺に集まり、そこから抜きん出た人が上の階層へと上がっていく。社会に出ると、この最下層にいる人間は給与で守られるが、一ジェネラリストとしてしか扱われない。しかし、逆三角形の最下層にいた人であれば、社会に出て逆三角形が三角形に変わる時、最上層にいることもある。それが起業家であったり、非常識な成功者であったりする。非常識な人が大きなことを成し遂げるのも事実である。

　才能とは何だろう。持って生まれた何かだろうか。明確な答えは分からないが、私が人生の経験を通じて辿り着いた結論は、「どんな状況になろうとも変わらない習慣になっている行動パターン」だ。20歳という若さでそれに気づいてしまった。良い言い方をすれば、「稀有な着眼点」、悪い言い方をすれば「周囲と同じものの見方や考え方が苦手」ということだ。

　人間の人生は、社会に出るまでは逆三角形のように形成されていると思う。つまり、三角形の一番長い底辺にいるほど、人生の中で向かい風に遭いにくいということだ。逆三角形というのは、社会に入るまではこの一番長い底辺が上にあり、自分は周囲と同じ価値観でいる。そのうち、価値観が違うことで周囲から弾かれ、一段下の若干人数の少ない層に放り込まれる。ここでも価値観や着眼点に共通項がないとさらに少数派の領域に落とされる。そして、一番下の「とがった部分」に放り込まれた人間が「つまはじき」や「いじめ」の対象になる。

　しかし、社会に出ると、この逆三角形は普通の三角形に戻る。新入社員や企業人、ジェネラリストが一番長い底辺に集まり、そこから抜きん出た人が上の階層へと上がっていく。社会に出ると、この最下層にいる人間は給与で守られるが、一ジェネラリストとしてしか扱われない。しかし、逆三角形の最下層にいた人であれば、社会に出て逆三角形が三角形に変わる時、最上層にいることもある。それが起業家であったり、非常識な成功者であったりする。非常識な人が大きなことを成し遂げるのも事実である。

　この現実に気づいた時、心に重くのしかかる感情を感じた。今まで自分が感じていた違和感や孤立感、他人と同じように振る舞えない焦燥感が一気に押し寄せてきた。逆三角形の底辺から弾かれ、さらに少数派の領域に落ちる度に、自分の居場所が狭くなるように感じていた。それは不安であり、孤独だった。しかし、同時に自分の中に確固たる何かが芽生えているのを感じた。

　社会に出た後の三角形の形に戻る構造を理解したとき、逆に自分が持つ「稀有な着眼点」や「異なる考え方」が強みになる可能性があることに気づいた。これまでの人生で経験してきた疎外感や挫折感は、必ずしも無駄ではなく、将来の大きな成功へのステップであるかもしれないという希望が見えてきた。

　自分の持つ特異性が将来の武器になる可能性に思いを巡らせると、少しずつ勇気が湧いてきた。今はまだ若く、不安や戸惑いも多いが、この逆境を乗り越えた先に待っているものを信じて進んでいこうと決意した。

　内なる葛藤と向き合いながら、自分の本質を受け入れ、それを活かす道を探すことが自分の使命だと感じた。これからの人生で、どんな困難が待ち受けていようとも、この気づきを糧にして乗り越えていけるだろう。そう信じることで、少しずつ心が軽くなり、新たな一歩を踏み出す勇気を持つことができた。

　ただ一つの残酷な事実は、周囲と同じ着眼点を持つということは、「テストで言う正解」であり「仕事でいう業績」と言うことである。その共通の着眼点が周囲と逆ということは、集団の中での自分が受け入れられにくいと暗に匂わせているに等しかった。