我が家の愛犬が腰を振るのをやめないんだが！？

結論：犬は本能のままに生きている。

　皆様、ごきげんよう。

初めましての方は初めまして、梵ぽんずと申します。

　前回、我が家のトイプードルを初登場させた【冗談でしょ！？　いいえ、これは本当にあった話です。〜梵ぽんずの本当にあった嘘みたいな話。愛犬との散歩中の話〜】が好評でしたので、今日は我が家の愛犬について話をしていきたいと思います。

　我が家のトイプードルは性欲旺盛なオス。

愛くるしい顔をしているくせに、イタズラ大好きなストーカーで、メンヘラチックなオスです。

　それでは、本題に入りましょう。

◇◇◇

　我が家のトイプードルが初めて性欲に目覚めたのは生後八ヶ月の時。猫しか飼った事がなかった私は、初めて犬に腰を振られた時、怖くて泣きそうになりました。

「ひえっ……。しゅ、主人に連絡しなきゃ……」

　家でハプニングが起こった時、小さな事でも大きな事でも主人に電話をかける癖があります。

　この時も主人は仕事中で連絡が取れるか分からないのに、犬に脹脛を両腕でガッチリとホールドされながら電話を鳴らしました。

「お、どうしたん？　こんな時間に電話なんて珍しいやん」

　時刻は夜の九時過ぎ。主人は休憩中だったらしく、すぐに電話に出てくれました。

　ですが、この時点で愛犬の腰を振るスピードがトン……トン……から、ドドドドドッ！！　と勢いが増してきたのです。

　私は怖くてパニックになりました。

「主人、どうしよう！　トイプードルが私にめっちゃ腰振ってくんねん！　どうやったら、腰振るの止めてくれる！？」

　電話の向こうで主人が「なんや？　ＮＴＲの報告か？」と笑う声が聞こえてきます。しかし、私は必死すぎてツッコミを入れる余裕もありません。

「そうや、ＮＴＲの報告や！！　笑ってる場合ちゃうねん！！　私、犬を飼った事がないから、こういうの初めてやねん！！　どうすればええの！？」

「どうすればって……満足したら勝手に離れるよ」

　笑うのを我慢しているのか、電話の向こうで主人の声が震えて聞こえてきます。

「ま、満足？　この子、私の足で童貞卒業する気なん？」

　意味わからない事を言ってるなぁ……という自覚はありましたが、私はそれどころではありませんでした。

　こんなに可愛い顔をしたトイプードルが。まだ八ヶ月しか生きていない子犬が。人間の年齢に換算すると十二歳くらいしか生きていない子供が性欲に目覚めてしまった……だと！？

「嘘だ！！　こんな可愛い顔をして、チ●チ●を剥き出しにしながら、ガツガツと腰を振るだなんて！！　しかも結構、生々しい色と形してる！！　嫌やーー、嫌やーー！！」

　初めて見る剥き出しになった犬のアレを見て、パニックになる私。

　主人は電話の向こうで犬にＮＴＲされているにも関わらず、笑っているというカオスな状況。

　そんな状況でトイプードルは人生で初めてのラストスパートを迎える為、腰をガツガツと高速で振り始めました。

「ハァハァッ……ハッハッハッ……」

　荒い呼吸をしながら、トイプードルは私の足から離れていきました。

　恐らく、とても満足したのでしょう。

私の反応をチラチラと伺いながら「ご主人、気持ち良かったよ」と言われているかのようでした。

「おーい、もう終わったか？」

　電話の向こうで笑う主人が話しかけてきました。

「終わった……。でも、めっちゃ激しく腰振ったせいか息切れしてる」

　その姿を想像したのか、主人は堪えきれず吹き出しました。

「雄の本能やから仕方ないけど、早く去勢手術したらなあかんな。散歩中に他の犬を襲ってしまったらえらい事になるで」

「そうやな。早く病院行ってタマタマ取ってもらおう。そうしたら、今みたいに腰振るのもやめてくれるかもしれん」

　こうして我が家のトイプードルは去勢手術を受ける運びになりました。

　これで彼の性欲も少しは治るかと思いきや、今日に至るまで「おい、早く腰を振らせろ」と一日に三回はせがんでくるので、我が家のトイプードルには全く効果がなかったのでした。