第6話

薬草採取依頼を受けたので、現在私は森の中にいる。


森の中といえば歌にある通り、くまさんに出会わなければならないと思う。


知識系の能力は使ってはいけないが、探知系の能力は使えるので、森全体を探知する。


くまさんはいなかった。

残念。


だけど、小屋が森の奥深くにあるっぽい。


かる~く【転移】で移動。


うん。これも結構ズルだね。

縛りのルールに次から追加しよ。


「ん?」


私は小屋付近に転移した。


小屋の周りには花畑が見える。


入ろうとしたけど、結界があるっぽい。


とりあえずノックしてみる。


コンコン


「ごめんくださーい。誰かいますかー?」


…。


返事がない。ただの小屋のようだ。


結界を壊すのも良くないし、とりあえず結界の性質を調べてみる。


まずは結界に用いられている魔力を感知する。


「これはっ!!」


私は驚く…



ふりをした。


「うん。ただの結界だね。効果は、っと…」


【遮音】【消臭】【認識錯乱】【気配隠蔽】【対物理】【対魔法】


これはなかなか。


「まあ、無視して結界の中に入るんだけどね」


私はするりと結界の中に入り込む。


とりあえず、小屋の中に人の気配がするから小屋をノックする。


さっき結界をノックしたけど、【遮音】のせいで通らなかったのかもしれない。


コンコン


「ごめんくださーい!誰かいませんか?」


扉が開くと共に中からローブを着た10代後半ぐらいの女の人が出てきた。


「ふぁぁああぁ。だれぇ?」


寝起きだね。これは。


「私はレイです!よろしく!」


「ん?レイちゃんね…。僕はアリム。眠いからまた明日来て…」


僕っ娘眠り姫系魔女ちゃん…。


「では、また来ますね!」


私はそのへんに生えている薬草を少し採集してから街に帰った。


んで、帰った後、ギルドに提出すると、薬草の中に珍しい種類のものが入っていたらしく、ランクがFからEに上がった。


その日はギルドを出た後、眠いから眠ることにした。


アリムちゃんが眠そうにしていたから眠くなっちゃったかもしれない。


というわけで昨日と同じ所で寝る。


おやすみ〜。


▽△▽△▽


おはよー。


私は目を覚ました。


ギルドで適当な採集依頼を選び、森に突撃する。


「【転移】」


まずはアリムちゃんの所に凸る。


「アリムちゃん?起きてる?」


小屋越しに聞いてみるが、返事がない。


「ん〜?」


よく見ると、扉の所に張り紙が貼ってある。


『眠いです。また明日来てください』


やっぱり、応じてくれないかぁ…。


まあ、一応メッセージだけ残しておこうかな。


『また来ますね』っと。


根気強く何度も来ればいつかは応じてくれるでしょ。

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その旅人は数多の世界を渡り歩く 野小路(のこじ) @nokoji

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