第5話
また金が必要なの!?
「お金なんかない…。どうしよ」
「あのー、登録料は後で払っても大丈夫ですよ?」
受付嬢さんが私に言う。
「そうなんですか?」
「はい、冒険者のルールなども説明しますね」
まあ、色々と説明された。
簡単に要約すると、こうなる。
===
冒険者のルールなど
・自由であれ
・何かあれば基本的に自己責任で
・ただし、他者に危害を与えるなどをしたら、ギルドが厳しく取り締まる。
・ランクがあり、F、E、D、C、B、A、S、SS、SSSランクに分かれている。
・SSSランクが最も高く、Fランクが最も低い。
===
「あ、アタシはSランクだからね。
そうジュリアさんが言うと、
「は?俺はお前よりも魔法の面で優れているが?」
とジックさんが青筋を立ててる。
「全体で見たら私の方が強いんだけど?」
「お前は遠距離からの攻撃に弱いだろうが!」
「はぁ!?」
なんか始まった。
一応受付嬢さんに聞いてみる。
「あれっていつものことなの?」
「そうですね。あんなのでも互いの相性は良いんですよ」
「へぇ…」
こういった犬猿の仲の男女って何故か知らないうちに夫婦になっている事があるよね。
何でだろ。
「そういえば、最初はFランクから?」
「そうです。頑張って上げてください!」
うーん面倒。
それでもランクを上げたいから頑張るけど。
掲示板みたいなやつ(依頼ボードと言うらしい)を見ながら何を受けるか考える。
経験からして、いきなり沢山魔物素材を持ってきたり、強い魔物を狩ってきたりすると、なろう系主人公になっちゃうからそれは止めなきゃね。
折角の新しい世界だし、正攻法で上げたい。
「正攻法で上げるには…やっぱり薬草の採取依頼かな」
私は簡単な薬草採取の依頼を受けることにした。
どうやら近くの森で依頼の薬草を得ることが出来るらしい。
森について受付嬢さんに聞いた所、森にはちょっとした秘密があるってよ。
詳細までは聞けなかったけど。
カウンターで手続きをした後すぐに出掛けようと思ったが、時は既に夜になっていた。
「あれ?私、今日泊まる所ない!?」
===
Tips
”冒険者協会”
要は派遣会社。
とはいえども、中世の世界観だから正社員等の概念がない。
犯罪以外は何でもする派遣会社。
”冒険者”
要は派遣社員。
魔物狩りからドブ掃除まで何でもする。
ランクが上がるごとに報酬が増えたりする。
高ランクになれば富と名声と力(権力も)を手に入れることができる。
夢と希望のお仕事です!(40代までの死亡率5割以上)(Sランクよりも上は冒険者人口の1%にも満たない)
===
朝、私は気分さっぱり目を覚ました。
街の上空1000メートル程で。
いやまあ、これには理由があるわけで。
最初、ジュリアさんが私にジュリアさん宅に止めさせてくれようとしていたが、ロリコンなので却下した。
私としては寝る必要もないから、とりあえず街を上から眺めてみようと上空で景色を眺めていたら、そよ風(調整済み)が気持ちよかったお陰で、すぐに眠りについてしまった。
そんな事よりも、薬草を採取しに行こう!
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