キョウヤvsヒナタ③

ヒナタのパートナーモンスター......ジャッカロープが登場したことにより、騒つく観客席。


そりゃそうだ。


何せ、そんなモンスターは今までいなかったのだから。


「......それがお前の新しい姿か」


ジャッカロープの姿を見ながら、そう呟くキョウヤ。


その顔は、とても忌々しげだった。


『プキュッ!!』

「あぁ!!特訓をしたおかげで、アルミラージはジャッカロープに進化したんだ!!」


キョウヤに対し、自慢げにそう言うヒナタ。


そして、ヒナタの近くにいるジャッカロープもまた、自信に溢れていた。


「ふん、特訓をしたところで、弱いモンスターは変わることはない」


まだ勝てると思っているのか、そう言うキョウヤ。


そんなキョウヤを見つめながら、ヒナタは自分のターンを進めるのだった。


「【幻角獣】ジャッカロープで攻撃!!」

『プッキュ!!』


ヒナタがそう言うと、キョウヤに向けて走り始めるジャッカロープ。


「そして.....ジャッカロープの能力発動!!ジャッカロープが攻撃状態の時、デッキからカードを10枚破壊する!!」

「何だと!?」


ジャッカロープの能力に対し、驚くキョウヤ。


そんなキョウヤを尻目に、デッキの上からカードが浮き上がり.......そのカードは墓地へと送られるのだった。


「小癪な.......」

「更に!!その破壊したカードの中にマジックのカードがあった場合、+5枚破壊する!!」

「......は?」


ジャッカロープのもう一つの能力に対し、呆然とするキョウヤ。


「なるほど、進化したことでデッキ破壊の能力が強化されたのか」

「てか、キョウヤのデッキの枚数が一気に減ったな〜」


ジャッカロープの能力を目の当たりにしたからか、思わず、そう呟く俺とカリバー。


しかし、当のキョウヤ本人にとっては、とんでもない能力だったのか


「バカな!?こんな能力が......あってたまるか!!」


と叫んでいた。


「行け!!ジャッカロープ!!」

「ブロックしろ!!ファフニール!!」


二人がそう言うのと同時に、戦い始めるジャッカロープとファフニール。


「頑張れ!!ジャッカロープ!!」

「負けんじゃねぇぞ!!」


二体のモンスターの戦いに対し、ジャッカロープを応援する俺達。


ファフニールは、ジャッカロープに対して、果敢に挑むが.......


『プキュ〜.....プッキュ!!』

『ギャオン!?』


Pの数が高いジャッカロープの体当たりによって、ファフニールは倒されるのだった。


「「やったぁ!!」」


ジャッカロープの攻撃に対し、声を上げて喜ぶ俺達。


だが、キョウヤは違ったようで


「そんな.....バカな........」


自分の切り札とも言えるモンスターが倒されたからか、呆然としていた。


「こんなこと.....あり得ない!!だって!!ファフニールは....」

「強いカードだから、負けるはずがない.......でしょ?」

「!?」


ヒナタの言葉に対し、驚くキョウヤ。


そんなヒナタに対し、キョウヤは


「奴に何をした!!」


と叫んだ。


それに対し、ヒナタは......キョウヤに向けて、こう言った。


「僕と一緒に特訓をしただけだよ。あと、この子の名前は『奴』じゃなくて、ジャッカロープ。もうあなたのモンスターじゃない」

『プキュ!!プッキュプキュ!!』


その言葉を聞いたキョウヤは、目の前にいるジャッカロープが、もうあの頃のアルミラージではないと理解したのか


「嘘だ.....そんなはずはない。だって、アルミラージは進化しない、はず.......」


信じられないと言う顔になりながら、そう呟いた。


「ジャッカロープ!!」

『プキュ!!』


ヒナタの言葉に答えるのと同時に、キョウヤに攻撃するジャッカロープ。


キョウヤ:6→4


「次はキョウヤさんの番だよ」


ヒナタがそう言うと、キョウヤは我に返ったのか


「クソッ!!クソックソックソッ!!」


忌々しげにそう言った後、手札を引くのだった。


「俺は、ニーズヘッグとワーグ二体を召喚!!」

『シャアアアア!!』

『『ワォォォォォン!!』』


ニーズヘッグ:P6000 ヒット1


もう後がないと思ったのか、ニーズヘッグとワーグ(二体)を召喚するキョウヤ。


その顔には、焦りが前面に出ていた。


「ニーズヘッグ!!奴のライフを喰らえ!!」

『シャアアアア!!』

「ブロックだ!!ジャッカロープ!!」

『プッキュ!!』


ニーズヘッグは、ヒナタに向けて攻撃しようとするが......ブロックしてきたジャッカロープによって、破壊。


その攻撃は、無意味に終わっただけではなく


「あ......あぁ、あぁぁぁぁぁぁ!?」


ジャッカロープの能力によって、カードが10枚破壊され、デッキの枚数がどんどん減っていくのだった。


『プッキュ〜!!』


どうだと言わんばかりに、そう言うジャッカロープ。


「い、嫌だ......嫌だ!!このまま終わりたくない!!負けたくない!!俺は.....俺は.......」


このままだと、自身が負けると思ったのか.....ブツブツとそう呟くキョウヤ。


しかし.....無慈悲にも、キョウヤのターンは終わりを告げ、ヒナタの番になるのだった。


「僕のターン!!ロックゴーレムとヒポグリフを召喚!!」

『ゴゴーン!!』

『キュオオオオン!!』


ロックゴーレム:P5500 ヒット3


「ロックゴーレムで攻撃!!」

『ゴゴーン!!』


ヒナタがそう言うのと同時に、攻撃を始めるロックゴーレム。


キョウヤ:ライフ4→1


「ロックゴーレムの能力発動!!ロックゴーレムが攻撃状態の時、デッキからカードを3枚破壊する!!」


ロックゴーレムは、キョウヤのデッキのカードを3枚破壊した。


「コイツもか!?」


余裕が無さそうな様子で、そう叫ぶキョウヤ。


「行け!!ジャッカロープ!!」


ジャッカロープに向け、そう言うヒナタ。


一方、当のキョウヤは


「.....ワーグでブロック」


ライフを削られるより、ブロックした方がマシだと考えたのか、ワーグでブロックしようとしたが......そのワーグは、ジャッカロープによって蹴散らされただけではなく、カードが破壊され、頭を抱えていた。


そんな彼にトドメを刺すかのように、破壊されたカードの中には、マジックカードがあり


「嫌だぁぁぁぁぁ!?」


10枚破壊されたのに加えて、+5枚破壊されてしまい、キョウヤのデッキは0枚になってしまい、デッキアウトという形でキョウヤは負け、ヒナタとジャッカロープが勝つのだった。


「これが僕とジャッカロープの力だ!!」

『プッキュ!!』





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バトルサモン〜カードゲームアニメの世界に転生しましたが、自分だけのオリジナルカードのおかげで何とかなりそうです〜 @marumarumarumori

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