27.戦況報告書

魔王暦五三二年、四月十日、午前五時。

ノブナガ率いる拙攻部隊が王国軍の砲兵陣地を強襲。刻印と魔法を駆使し、わずか二十分で壊滅まで追い込んだ。

この戦闘による衣装者は以下の通りだ。

王国軍:八千名

魔王軍:五百名


この奇襲攻撃により、王国軍は急いで宣戦を布告。

その瞬間に、魔王城から、魔王城下をすべて包み込む対魔・対物理結界。通称『ハルバード』が展開され、そのわずか二分後には爆撃機隊が飛来し、ハルバードに爆撃を敢行。しかし結界により全弾防がれ、結果外に突如出現した魔王により三機の爆撃機が撃ち落とされた。


魔王連邦西壁での戦闘は平地での塹壕戦となり、激しい戦闘が勃発。しかし隙をついてベートーヴェン、及びルインズの刻印が炸裂し前線を突破。そのまま魔王軍は突撃を繰り返し、前線を食い破っていった。国王軍は榴弾砲と戦車で応戦し、交代しながらも、確実に魔王軍の勢力を削った。しかし魔王軍の砲撃陣地の場所は特定されており、激しい爆撃に遭い、多数の死傷者が報告された。しかし魔王軍は順調に前線を押し上げ、約五時間後には王国軍を撤退まで持ち込んだ。

この戦闘による死傷者は以下の通りだ。

王国軍:四万九千名

魔王軍:四万三千名


そして三万の騎士が正門の援護に回った。


続いて、魔王連邦東壁での戦闘。ここでは魔王軍の近衛兵を多数を含む、十騎士のフェニー、マカー、チャキフスらが応戦し多大な戦果を上げた。しかし、敵軍に十万の中には特殊衛兵も数百人含まれ、これにより魔王軍は苦しい戦いを強いられ、結局ほぼ全滅となったが、敵軍も残り一割ほどとなった。敵軍は屍を超え、魔王城東壁を破壊。敵軍およそ二万人が流れ込むこととなった。

この戦闘による死傷者は以下の通りだ。

王国軍:十八万名

魔王軍:不明


最後に魔王連邦正門での戦いだ。ここでは敵も予想しなかった八キロ先からの絶え間ない魔力による高エネルギー弾の砲撃により、退路を塞がれた。しかし、それと同時にウルトラマックス砲にも、敵の超兵器、榴弾発射型電磁砲による砲弾が多数命中、これにより百万いた軍勢は七十万まで減少したものの、使用可能なウルトラマックス砲は残り三基となった。ここで現地司令官を務めた十騎士ローレンスによる撤退命令が出された。それと同時に敵の猛攻が開始され、魔王連邦正門はあっという間に前線の敵に埋め尽くされ、破壊されようとしていた。しかしここで魔王連邦正門付近を一部の城壁ごと一万にも及ぶ地雷で爆破し、そこから三十万の魔王軍が溢れ出した。王国軍が慌てふためく姿をよそに、魔王軍は敵主力部隊三十万を包囲、続いてやってきた援軍二十万を、強襲から帰還したノブナガ率いる斥候部隊と西壁からの援軍三万が追撃。これを撤退まで追い込んだ。

この戦闘による死傷者は以下の通りだ。

王国軍:五十八万名 捕虜:十万名

魔王軍:九万名


一見ここまで東壁を除いて優勢に思われた魔王軍だったが、ここで重大事件が発生する。魔王が戦闘機のミサイルをまともに食らい戦死。それと同時に武装宗教集団『レイス教』が各地で蜂起し、王国軍と魔王軍の戦闘に介入した。疲弊して撤退している所に、人間、魔族以外のレイス教が絶滅させなければならないとしている知的生物を配下に置く国王軍には大きな一打になったが、これは魔王連邦の存続に関わる重大事件のため、魔王軍の騎士の士気は低下傾向になった。


これに対処するため、参謀本部では新規魔王としてノブナガを指名。これをノブナガが受け入れ、一時的に士気低下は防がれた。しかし、魔王の死により、防御結界が崩れ落ち、魔王連邦内には爆撃の嵐が降り注いだ。


残る東壁裏の戦闘では、大規模な市街戦が勃発し、ここで十騎士のコルト率いる数千人の部隊と、全十騎士が集合し、特殊衛兵を主軸とした王国軍と最終決戦を行った。

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