第2746話 無限のファンファーレ。
GODレベルとは、基礎レベルが低ければ低いほど、多くの経験値を獲得でき、
かつ、すべての行動が経験値になるという特殊なシステム。
つまりは、今も、センの内部では、GODレベルが、爆発的に上がり続けている。
『アルテマ・ウムルという強大な敵と対峙している』。
そのことで、経験値を獲得している。
ほかにも、
『ゼノリカという世界一の組織から狂気の信仰を注がれている』
その事実でも、膨大な経験値を獲得している。
レベルアップ音声をオフっているので聞こえないが、
もし、オフにしていなければ、今頃、ずーっと、
テレレレッテッテッテー!
『狂気の信仰』が発動した。
えげつない経験値を得た。
センエースの『GODレベル』が上がった。
テレレレッテッテッテー!
『病的な献身』が発動した。
暴力的な経験値を得た。
センエースの『GODレベル』が上がった。
テレレレッテッテッテー!
『アルテマ・ウムル』と探り合いをしている。
なかなかの経験値を得た。
センエースの『GODレベル』が上がった。
テレレレッテッテッテー!
『アルテマ・ウムル』とにらみ合いをした。
けっこうな経験値を得た。
センエースの『GODレベル』が上がった。
テレレレッテッテッテー!
『ゼノリカ』に愛された。
ゲロ吐きそうなほどの経験値を得た。
センエースの『GODレベル』が上がった。
テレレレッテッテッテー!
センエースの中で、ゼノリカに対する『新たな覚悟』が目覚めてきた。
眩暈と嘔吐を催すほどの経験値を得た。
センエースの『GODレベル』が上がった。
――と、いった感じで、無限のファンファーレが、いやがらせのように、鳴り響き続けていたことだろう。
秒を重ねるごとに、
センエースは強くなり続ける。
これは、すべて『センエースが積み重ねてきたもの』である。
『永き』を積んで、自力で獲得してきたもの。
ありえない献身と覚悟を注ぎ続けたからこそたどり着いた収穫祭。
――センエースは、間違いなく、何も持たない凡人だった。
なんの才能もない、量産型汎用一般人だった。
それは間違いない。
しかし、センは、この上ない地獄で、永遠に等しい時間を積んだことで、
誰にもマネできない高みに辿り着いた。
センエースは止まらない。
センエースは強くなり続ける。
「じゃあな、ウムル。おかげで、次のステージに進むことができた。そこだけは感謝している。それ以外に関しては『死ね』としか思っていないから、普通に殺すけど」
そう言いながら、センは、
『数真』の『経験値ストック機能』をONにしたのを確認してから、
ウムルとの距離をゼロにして、
「――龍閃崩拳――」
魂の一撃を叩き込んだ。
情緒もクソもなく、
踏み込み足だけに心を込めて、
精一杯の一撃を放つ。
「ぶほぉえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええっ!!」
ウムルは、センの拳により『自身の中心』がひしゃげたのを感じた。
膨大な生命力を持つウムルが、
レベル一桁の虫ケラに、
驚くほどアッサリと敗北してしまった。
抗おうと思っていた。
少しでも粘ろうと思っていた。
しかし、無駄無駄無駄無駄無駄無駄ぁ。
センエースの、『ウムルに対する怒り』が、
ウムルの粘りを拒絶した。
一切の妥協を許さない神速のジャッジメント。
可能性を残さない死刑執行。
蝉原のヌケガラ、
アルテマ・ウムルは、今、この瞬間に、
完全なる死を迎えた。
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