第1101話 冒険の書、ゲットだぜ。
二次試験が終了した。
カルシィたちの死や、
あまりにも突然『試験が終了したこと』による困惑で、
いろいろ、ごたごたあったが、
『その辺』まで書いていくと先に進まないので、
オールカットォ!!
★
――二次試験終了後、
色々ごたごたあったあと、
『三次試験開始が三日後』になると聞いたセンが、
『はい、了解でーす』と帰路につこうとしたところで、
「177番。ちょっと待て」
メービーから声をかけられた。
※ ほぼ100%の確率で忘れられていると思われるので、
あらためて説明しましょう。
彼は、一次試験と二次試験でともに試験官を務めた、フーマー最高峰の権力者。
使徒のトップにしてフーマー最強の超人。
第一使徒メービー。
「なんすか?」
「やはり、私の目に狂いはなかった」
「……はい?」
「中でのことは、誰に話を聞いてみても『さっぱり不明瞭』ゆえ『何があったか』はいまいち把握できておらんが……」
※ そもそも、MDワールドにはそういうアリア・ギアスが積まれている。
「しかし、事実、結果として、ぬしは『トップの成績』で二次試験を通過した」
「はぁ、まあ、そうですね……カジノでバカ勝ちして、ダンジョンでたまたま良質なアイテムを見つけただけですが、俺が一位だって事実に変わりはありません。俺こそが最強、俺こそが無敵!」
試験終了後、委員会の者に聞かれた時にも、そう答えておいた。
『蟻(あり)にダイアモンドの価値を理解させる努力』をするほどセンはヒマじゃない。
※ そもそも、『きちんと詳しい説明』はやろうとしても出来ない状態。
「もう、これほどの豪運を持つ俺は『最後まで試験を受けなくとも、冒険の書をもらっていいんじゃないか』とすら思う……そういう逸材ですよ、俺は」
などと、モンジン的なノリでチョケていくセンに、
メービーは、
「私もそう考えておる」
「……あ、そうすか。高く評価していただいて、あざーす。じゃあ、というわけで、失礼しまーす」
そう言って、さっさと逃げようとするセンに、
「だから、こうして『ぬしの冒険の書』をもってきた」
そんな言葉を投げかけるメービー。
さすがにセンも、
「……へ」
と、ガチで驚いた声をもらしてしまう。
そんなセンに、メービーは、続けて、
「合格じゃ、177番。おめでとう」
「……ぇ、マジ……」
メービーから冒険の書を受け取ったセンは、
手の中におさまった冒険の書を見つめながら、
(本物……冒険の書、ゲット……じゃあ、いける? 扉の向こう……原初の世界……その深層……)
ふつふつと沸き上がってくる歓喜を強制的に抑えこみながら、
心の中で、そうつぶやいていると、メービーが、
「これで、ぬしは、もう試験を受ける必要などない。というわけで、明日、朝五時に、フーマー東方の霊山に集合じゃ」
「……は?」
「話は通しておくから、ぬしは、ただ、正午発フーマー行きの船に乗るだけでよい。ああ、当たり前の話じゃが、一応言っておこう。そこの女二人を連れてくるのは禁止じゃからの。修行に仲間も女も必要ない」
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