第1034話 いいニュースと悪いニュースがある。


 センエースの問いに対し、

 彼は、威風堂々と、



「俺は、P型センエース2号。簡単に言えば、P型センエース1号の完全上位互換だ」



「……なるほど。そいつは、非常に面倒くさそうだな。どのくらいスペックアップしているかにもよるが」


「面倒くさそう……か。ずいぶんとナメた視点で俺を見てくれるじゃないか」


「何号にバージョンアップしようと、所詮は俺のパチモンだろ? そんなもの、たいした脅威じゃない」


「くくく……自己評価が高いんだが低いんだか分からない発言だな」


 おかしそうに笑ってから、


「センエース、いいニュースと悪いニュースがあるんだが、どっちから聞きたい?」


「なんで、急にアメリカンになった?」


「いいから、答えろよ。どっちだ?」


「……じゃあ、わるいニュースから聞こうか」




「聞いて泣き喚(わめ)け。ソンキー・ウルギ・アースも究極超神化7に届いた」




「っ?!」


「これで、お前は、ついに、出力的なアドバンテージもなくしてしまったというわけだ。残念だったな」


「……」


「おや? どうした? もっと驚くかと思ったんだが、割かし冷静だな。もしかして、俺の言葉を信じていないのか?」


「いや……あいつなら、いつかは届くと思っていたから、無様におののいたりはしないだけ。想定していた時期よりもかなり早かったから、多少は驚いたが……」


「ふぅん……ま、実際に、ソンキーが究極超神化7に覚醒するのは、もう数日先の話なんだがな」


「……あぁ?」


「俺は、第一アルファのレコードなら、未来のデータであっても回収する事ができるんだ。数日単位が限界だし、取得できるデータの種類は、かなり限定的だがな」


「……サラっと、とんでもないこと言いやがって……どうやら、お前は、ただのパチモンではなさそうだな」


「あ、ようやく分かってくれたか。なら、ここらで認識を改めろよ。この俺は、『面倒臭い相手』などという安い存在ではなく、お前にとって最大最悪の脅威。お前が、『その魂魄の全て』を賭して対峙しなければいけない『大敵』だ。もっといえば、お前の『天敵』だな」


「……俺に天敵なんかいねぇよ。この世の誰も、俺を止める事はできない。たまぁに、師匠の弟に『ゲーム』で負ける事はあるが、俺に許される敗北はそこまでだ。少なくとも、てめぇごときに喰われはしない」


「はたして、どうかな」


「……で? いいニュースは?」


「ん? そんなもんねぇよ。あったとしても、お前にとって有益な情報を、俺がお前に教えるわけがないだろ。お前、俺の話を聞いてなかったのか? 俺はお前の敵だぞ」


「……実に楽しい会話だねぇ……心躍るわぁ」


 無表情のワンテンポトーンでそう言ったセンに対し、

 P型センエース2号は、


「さて、それじゃあ、場も温まった事だし……」


 ゆっくりと武を構えて、


「殺し合いをはじめようか」


「そうだな……ゴチャゴチャ言っていても、何も始まらないし、何も終わらない」


 そう言うと、

 センエースは、グっと気合いを入れて、


「真・究極超神化6!!」


 凄まじいオーラを放つ闘神へと変身する。


 それに呼応するように、

 P型センエース2号も、


「真・究極超神化6!!!」


 激しいオーラを放つ闘神へと変身する。



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