第24話 彼女は言った、「逃げたい」と。
本編第16〜17話 「3月 逃げたいよミヤコダさん」
https://kakuyomu.jp/works/16816700428006723904/episodes/16816700429170510052
ネタにした映画タイトル
『マシニスト』(2004)
こんちは、うびぞおです。
今回ぐだぐだ書くのは、『マシニスト』です。主演は、激痩せしたクリスチャン・ベールです。クリスチャン・ベールって結構たくさんの映画に出てるし、アカデミー賞も2回獲ってるんですが、多分、一番有名なのって、『ダークナイト』シリーズのバットマン/ブルース・ウェイン役だと思われます。
いわゆるカメレオン俳優さんで、役柄で体型や顔付きをころりと変えてしまいます。ちょっと鋭いシュッとした感じのイケメンで、バットマンのようなヒーローがピッタリですが、なりきるためなら歯や髪を抜いたり、すっごいデブったりします。この『マシニスト』では30kgの減量をしました。ちょっと、マシニストで検索掛けてみて下さい。アヒルみたいな鳥のポーズしたガリガリの男性の写真が出てくると思います。
ちなみに、うびぞおが一番好きなクリスチャン・ベールの映画は、やっぱり『ダークナイト』シリーズです。他にも『リベリオン』というアクション映画、『アメリカン・サイコ』という気が狂ってるとしか思えないエリート会社員のソシオパス映画が好きです。どっちもちょっとマニアックで、あんまり一般的な映画ではないのでオススメはしません。
いずれにしろ、かなりの演技力のある俳優さんであることは確かです。
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主人公の男は、工場で毎日働いているが、謎の不眠症のために1年間もまともに眠れておらず、その体は痩せさらばえていた。同じ工場に一人の男が現れてから、その生活が変わり始める。主人公は仕事中にその男を見ていたために事故を起こし、同僚は腕を切断してしまう。しかし、主人公以外は誰もそんな男を見ていなかった。そこから、主人公は、現実と幻覚を行き来し始め、何が真実で何が幻覚なのか分からなくなる。幻覚に翻弄される中、主人公は真実と向き合うことになる…
「こういう話だったんですね」
「そう、痩せた男の話じゃなくてさ、逃げ切れずに追い詰められた男の話なんだ」
私とオーナーが演出や演技についての感想を話し合っているそばで、ミヤコダさんとマダムはダイエットの話になっていた。
(本編より抜粋)
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どうでもいいけど、「痩せさらばえる」って言葉を使ったのは、これが最初で最後で、痩せさばらえると、痩せさらばえるのどっちだったか分かんなくなったの覚えてます。ニホンゴムズカシイネ。
不気味な現象が起きて、最初は、陰謀か何かに嵌められているように見えていたけれど、人為的な陰謀というには徐々に奇妙さばかりが増していき、実は、実際に起きた現象ではなく、不眠症による主人公の幻覚であったことが分かると同時に、主人公が、不眠症に陥った経緯も明らかになっていく、という大筋です。
クリスチャン・ベールが、ただガリガリに痩せただけでなく、現実と非現実がごっちゃになって混乱する男を演じて、映画の中に漂う不気味感を増してます。その迫真の演技がなかったら、どうだろう、ここまで不気味な映画にならなかった気がします。
というのも陰謀でも現実でもないことは、割とすぐに察知できるし、その理由も途中でなんとなく見えてしまう。なので、そんなに面白い脚本でもなくて、クリスチャン・ベールがそんなダイエットをしてまで演じなくてはならないような映画ではない、つまり、役者の演技がなければ、忘れ去られるようなホラー・ミステリーだったのではないかと思います。実際、結果として、映画の脚本や映像より、主役の迫真の役作りの方が有名になってしまっていることがこの映画の評価だということです(厳しいな、うびぞお)。
なので、多分、余程のことがなければ、『マシニスト』をもう1回観ることないでしょうね。
挿絵の方が文章に勝ってしまうラノベみたいな?(こらこら)
さて、この回の主人公は恋人から逃げ出すカヌキさんでした。
恋なんてしたことない純情無垢なカヌキさん、に見せかけてきましたが、実は別れてない彼氏がいましたよ、という話です。彼氏の存在は、最初の頃から一応匂わせておいたので、いきなり思い付いたわけではないです。ミヤコダさんとカヌキさんがお付き合いするに当たって、最後の敵がカヌキさん彼氏と設定してました(ような気がする)。さて、どうやって別れさせるかなーと考えていた時に、たまたま『マシニスト』を観たような記憶があります。そんなに面白い映画ではなかったのですが、一応はホラーというジャンルに入ってるので、ああ、これは使えるな(ネタとしてこじつけられるな)と思った次第です。
粗筋が頭にあって、それに合うようなネタになる映画を探すパターンが多いんですが、たまに、ネタと話が同時進行になることがあります。大まかな筋はあるんだけど、どうやって話を進めようか悩んでる時に、ピタッと来そうな映画が来て、映画のエピソードに寄せて物語の細部を詰めていく感じ、っていうんでしょうか。この回はそれに近かったです。
映画をネタに物語をつくるの醍醐味の一つ、だったんでしょうか。
なお、前編で、『エクソシスト』をちょっとだけ話に出してるんですが、ネタというほどの使い方でもないので省略しました。
次回は、新作の短編と、そのネタにした映画についての似非エッセイの予定です。今回も無事ニチアサ更新でした。よろしければ、また来週もお目にかかりましょう。
前回も書きましたが、まもなくカクヨムコン10なので、もしかして何か書くなら、この『とまれ…』は3ヶ月くらいお休みするかもしれません。もし、お休みしても、復活後にまた読んでいただけたら、ありがたいです。お休みするかしないかは、まだ未定……。
なんにせよ、今回も読んでくださってありがとうございました。
うびぞお
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