第4話 神様能力バトル

貫く者ペネトレイター光翼剣フリューゲルエスパーダ!我に覇道は拓かれん!!」

 熱暴走したパソコンみたいな音を立てて俺の翼刃が眼前のコンクリ壁を貫通して神殺しの1人を貫く、これで1人はやったか!?とフラグを心中で立ててしまうと案の定、

「恵みは断たれん、ただ其処には腐蝕の在るのみ。御使いの死毒鉢エンゼルポイズン

ドパァッ!と神殺しから紫紺の毒霧が広がり、触れた俺の光翼剣を朽ち果てさせる。が、そこで油断したのがオマエの運の尽きだけどな!!

「我は望む、故に我が手には糧の尽きぬ。無限乱撃インフィニットランペイジ!」

俺の神属性は、「戦」。少し前にまだ判明したばかりで全く使いこなせていないが、隊長曰くざっくり3種の「貫擊、防擊、無尽装《むじんそう》」と仮称する戦神としての能力が俺には備わっているらしい。神成りと成った日の奇跡達、背中にできた目玉による背後死角潰し、どこからともなく湧いたパンのような望めば無尽蔵に顕れる食糧や兵装、自転車をパンクさせようとした奴に落ちた雷。これらは全て「貫擊、防擊、無尽装《むじんそう》」に則った"聖儀スキル"で、その解釈次第では更なる戦略的行使が可能となるらしい。なーんて、すごそうな説明を聞いて調子に乗った俺が戦場へこないだの復讐せんと突っ込んだところ、防擊射程外からの攻撃に"奇跡行使スキル発動"の間もなくぶっ殺されかけ、無敵ではないことを実感した。どうも世の中そんなに上手くは行かないらしい、ただ念じれば使えるワケでもなく何度も使って練習してやっと少し解釈範囲が拡がるとかいうスポ根仕様な"聖儀スキル"なもんで、未だに半径15メートル以内への自立雷撃による防擊、光翼剣の5連リロード、"背の眼はいのまなこ"による後方警戒が関の山というなんとも中途半端な戦神として天界タカマガハラの一神兵として一柱ひとり寂しく修行、実践の繰り返しに身をやつしている。

御使いの死鉢駆モータルギャロップ!我が死馬は俗世を平定せん!!」

ドガガガガガツッ!パキィンッ!!

「か、はッ……っ!」

こんな風に神殺しのスキルに光翼剣による防擊としての盾を突き抜けられぶっ飛ばされることもしばしば。隊長が居なかったら何度死んでいたか判らないモンだよ…

「断て、裁界刃ジャッジメントレオン

バリィィィン。少しの余韻を響かせてガラスの割れるような音と共に虚空から飛び出した他を片付け終わった断隊長が神殺しを仕留めて戦闘終了。血なまぐさい日々である。

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変神 風若シオン @KazawakaShion

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