第3話 神の日常(ロードムービー)

「そっちに1人向かった、神滅鬼装は"豊穣の断絶"だ!喰らったら当分は起き上がれんぞ!!ッ、こっちはなんとかするから持ち堪えろ!貫く者ペネトレイター光翼剣フリューゲルエスパーダ!!!」

俺の翼刃が2人の"神殺し"をその防弾装備もものとせず貫く。一息つく間もなく背後から飛来する、神滅鬼装に放たれた光弾を"背之眼はいのまなこ"で視て辛うじて回避、反撃を放つ……

 あの日、俺が神に成った日。何も知らなかった俺は神殺しの1人だった担任教師に襲われ周りのクラスメート達を巻き込んでしまい、俺自身も殺されかけてしまった。「あれはオマエのせいじゃねェ、あの神殺しが悪い。」と現在俺の所属している"天界タカマガハラ"拾参番隊隊長"界園 断(かいえん だん)"があの後、今この世界で起きていることを語ってくれた。

「俺達にはどうしてかなんて知る由もなかったワケだが、ある日突然俺達"神成り"はホント急にだ、カミサマになったとしか言い様のねェ力を手に入れた。その顕れ方はそれぞれだ、飛び降りて死のうとしたら墜ちずに空を飛べちまったり、オマエみたいに知覚や周りのパーソナルスペースを掌握出来るようになってたり。俺の場合は遅刻しそうで走ってたらなンか知らんが電車の中にワープしてた。まァ空間掌握的なモンだろ。…まァそんな超人、神がポコポコ世界で産まれたワケだ。ニンゲン様が進化でもしたのかねェ、まァそこまではまだ良い、良くはねェがな。ンでだ、チカラを得た神成り達が思ったワケだ、このチカラで世界を幸せにするぞ!ってな。そして連携を取る為に出来た組織が"天界タカマガハラ"だ。だがまァ、勿論そんなチカラを得たら暴れる奴も居るワケだ。なンだろうなぁ、性悪説とでも言うのか。はじめっから殺傷に適したチカラばっかり得た奴らも居て、そいつらが天界タカマガハラの原則、『神は人の為生きる』が気に食わなかったらしい、そこら中で暴れ回って好き放題し始めた。そンでそれを止める為に俺達天界タカマガハラと"神殺し"なンて呼ばれるそいつらとの戦いが始まった。なンで"神殺し"、かね?奴らは自分達を"天邪鬼"なンてふざけた呼び方してるらしいが、神だの鬼だの持ち上げてやる気にはなンねェからただの殺人鬼、いや"神殺し"と呼んでる、ってのが今の世界だ。」

 これが現在の、神成りの戦いが繰り広げられるこの世界に起きていることだった。そして今日も俺は発生した神殺し達との戦闘に身を置いている。そんなのが、俺達カミサマの日常だ。

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