「僕」から母へ送られる一通の手紙。そこには、母への感謝と謝罪が込められていた。千文字ちょっとの短編書簡小説。少ない文字数ながらも、深く考えさせられます。いつも喧嘩が絶えない「僕」と兄弟、そして、多少変わっている母の関係――。手紙の違和感が線で繋がる時、はっとさせられて、この「母と子」の関係を鑑みてしまいました。
母の日に合わせて、普段書かない手紙を。その始まりから続く、これまでの行いへの反省や、母の深い愛情に気付いたことへの感謝。子が成長して、改めて気付いた母への想いを綴る手紙は、一見よくあるシチュエーションです。しかし、それはただの母の日の手紙ではなく…。この唯一無二の母への手紙は、誰もが胸に抱かなければならない誓いでもあります。ああ、どうか、この手紙が届きますよう。まだ間に合いますように…。