第4話 TLM200一人旅 青麻山林道
トライアルバイクを3台乗り継いだが、最初に出会ったのがTLM200である。2ストで軽快なバイクで乗りやすかった。(ツーリングには向かないが)
SUGOの近くに住んでいたので、このバイクで林道やオフロードを楽しんで走っていたのが、今から20年ほど前のことである。
蔵王町に青麻山(あおそさん)という標高799mのこんもりした山がある。まるで蔵王連峰の前に鎮座している門番のような山である。そのふもとに青麻山林道がある。今は全線舗装路になっているが、私がTLM200で走った時は、半分舗装路で、砂利道で林道走りが楽しめた。ここを4.5回走ったが、今回は北側からの逆ルートを紹介したい。(0.5回というのは、途中で子熊とでくわし、Uターンして帰ってきたからである)
スタート地点は、遠刈田温泉のこけし橋である。ここから見る蔵王が秀逸で、私はよく朝焼けの写真を撮りにくる。稀に赤蔵王の景色が見られる。
国道457号線を南下する。と言っても、長い登りなのでTLM200にはちょっときつい。七日原(なのかはら)まで登ると、高原地帯に入り景色もよくなり、走りやすくなる。
3.5km地点で、北原尾につく。ここから左折する。今はそこに天皇皇后行幸啓記念碑があるのでわかりやすい。ここは平成27年に天皇皇后(現上皇上皇后)が来られたところである。戦後、南方のパラオ諸島から帰国した方々が入植し、苦労の末に開墾した地である。高原地帯なので冬を越すのは並大抵の苦労ではなかったはずだ。
そこからは牧草地帯の中の一本道を走る。左側に蔵王連峰がそびえている。屏風ケ岳が眼前にせまる。まさに名峰である。
6.0km地点で「林道青麻山線 終点」の標識が見える。Y字路になっているので、左に入る。周りはきれいな牧草地、ところどころに水の流れをよくするための排水路が横断しているので、そこではスピードダウンである。
少し走ると、森の中に入る。見通しはよくない。舗装路だが、落ち葉や枯れ枝が落ちているので、走行は注意である。一面、濡れた落ち葉というところもあり、スピードの出し過ぎは要注意。
林業従事車両とすれ違う。本来は彼らのための道である。じゃまをしないようにしなければならない。
10.5km地点でT字路の看板がある。林道のほぼ中間である。左に行くと「小妻坂」というところにでるのだが、以前に行った時はとんでもない道だった。整備されていない道で、枯れ枝だらけで、下るのがやっと。前輪が跳ね上げた枝で足をけがをしてしまったことがある。
それと子熊と遭遇したのがこの先である。「熊注意」の看板にやたら現実味を感じる。バイクの音で子熊は逃げるが、親熊はおそってくる。要注意である。
11.9km地点。交差点に出る。右は行き止まり。左はふもとにでるが、今は橋の工事中で通行止めになっている。ここから砂利道となった。登ったり下ったりを繰り返すが、基本は下りである。少し長いストレートがあり、スピードには要注意。例の排水路が横断していて、そこでバウンドしかねない。
16.2km地点。やっと見晴らしがよくなった。ここからは荒れた舗装路だったが、今ではきれいに舗装されている。高圧電線の鉄塔を建てるための工事用道路になっているからだ。
18.3km地点。ふもとの宮地区が見える。地元の人もなかなかここまではやってこない。バイクや軽トラなら気楽に来ることができる。だが、ふつうのクルマでは、垂れている枝で傷つくのでおすすめはしない。
18.9km地点。「林道 青麻山線起点」の標識があるT字路にたどりつく。右に行くと、青麻山の駐車場に行ける。左はふもとの集落に出、快適なコスモスラインにたどりつく。そこで右へ行けば白石方面、左へ行けば遠刈田方面となる。コスモスラインは後で紹介したいと思っている。
さて、このTLM200だが、アパートの駐輪場に置いていたら夜のうちに盗まれてしまった。ハンドルロック以外にも後輪にチェーンロックをしていたのだが、ダメだった。警察官いわく
「軽いバイクだから、複数人できてトラックに載せていったんだろうね。今頃は解体されているかな」
ということだった。しばらくふさぎ込んだ日々を過ごしていると、妻から
「バイク買っていいよ」
というあたたかい言葉。それでTLM220を買ったのである。今度は前輪と駐輪場のポールをチェーンロックでつなぐことを怠らなかった。
今回のツーリングデータ
スタート時間 15時
到着時刻 15時45分
走行距離 19km
消費燃料 1L(推定)
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