第7話 襲撃(6)―閃光と隔絶
「―〈
光を圧縮し、ビー玉サイズに。それをばら撒き、開放。
全方位からディミトリを取り囲む閃光。その眩さに思わず動きが止まる。
人間が本能的に危険信号を出すのは、主に3つ。
1つ―異臭。
2つ―爆音。
3つ―閃光。
もちろん、人によっては何の危機感も抱かないこともある。これ以外にも危険信号を出す条件がある人もいる。
だが、基本的にはこの3つ。
ディミトリの動きが止まったことから、彼は通常の〈危機感〉を持っていることが分かる。
それさえ分かれば十分。
ディミトリの動きが止まった隙を逃さず追い打ち。
光に乗って動くことで、光速で移動が可能になるベルナルド。これも彼だけの技術。
光を圧縮したり、光に乗ったり。〈光〉を物体として扱えること。
それこそ〈光の極〉だけが可能にする技。
巨体が自慢のディミトリも、光速で繰り出される蹴りには為す術もない。一撃ごとに砕ける骨。
光速に人間の反応速度が勝るはずもない。
「悪いが、ここからは一方的だ――〈
光を束ね、槍を形成。それをまたも光の速度で撃ち出す。
「――慣れた」
そう呟き、ディミトリは光速の光の槍を掴む。
「は――?」
ベルナルドは自身の目を疑った。
ありえない。そんなのあり得ない。
何がどうなったら〈光速〉に慣れるんだ。仮に慣れたとして、どうしたら光を掴めるんだ。光を物体として扱うのは、ベルナルドの専売特許のはずだろう。
「俺の二つ名は〈隔絶者〉だ」
――だから何だ。何だというのだ。
「他者とは一線を画す戦闘スキル。故に、隔絶された者。光の速度に追いつくことなんて、朝飯前なんだ」
「――改めて言うわ。バケモンだよ、アンタ」
「褒めてくれてありがとう」
「褒めてないわ!」
――仕切り直しか。ベルナルドは深呼吸を1回。そして敵と向き合う。
「特別に見せてやる。俺の奥の手。最終奥義。これが通用しなきゃ本当に俺は詰む。けど、きっとアンタになら通じるって信じてる。だってアンタ、俺のこと舐めてるもんな――ディミトリさんよぉ」
決意と覚悟を決めて、技を放つ。
「俺の勝ちだ――〈
刹那。ディミトリの白絡泉と心臓。そして頭を撃ち抜く無限の光。
何が起きたか分からない。
だが、確実にディミトリは死んだ。
「アンタが何をしたかったんか――俺にはわからない。でも、アンタは間違ってる。間違ってた」
そして、何よりも。
「アンタが道を踏み外してることに気付けなかった俺が、一番の間違いだ」
ベルナルド・カデロ――26歳。自称〈世界一のモテ男〉は。
まだ極を解除していない。
***
「ディミトリさんは死んだ。アンタも諦めな――ガレス・サンチェス」
疲労困憊。満身創痍の世界3位は、会議場にディミトリの遺体をなんとか引っ張ってやってくる。
「さぁ――話してくれんだよなぁ?ガレスさんよぉ」
ディミトリの亡骸を見て、ガレスはそれまでの威勢を失う。
その態度からして、彼らが組んでいたことは明らかだ。
ガレス・サンチェス――〈観察者〉幹部の明一派に属する魔法士。そしてディミトリも同じく、〈観察者〉に属していた。
ガレスは本来、〈観察者〉のボスに従っていたのだが、そのボスから明に従うように言われたため、派閥を移動。
ディミトリは祖国―ロシアにいる彼の先輩から明を紹介され、その思想に共感する形で所属することになる。
明の思想――それは、〈自分さえ良ければいい〉という身勝手にもほどがあるもの。
〈観察者〉とは、魔法士と非魔法士の人数の均衡を保つ役割を担っている。いわば世界のバランサーを自称する集団。増えすぎた方を、手段を問わず間引くことが問題になっているわけだ。そんな中に〈自分勝手〉の権化がいて良いわけが無い。しかし明はボスのお気に入り。組織内であらゆる特権が、自由が、暴挙が許されている。
祖国に従うだけの兵士。命令に隷従するだけの機械と化したディミトリには、彼女の自由さがあまりに眩しく見えた。
ある日。
「ボスからね、日本の魔法学園にいる女の子を探せって命令がきたの」
――と明が部下を集めて言った。
〈均衡〉が目的のハズの組織。そのボスが捜索する女の子とは。
「たしか、〈観察者〉のメンバーの子供。ソウカとかいう名前だったかな?」
明は貰った資料を見ながら零す。
「でも、なんでその子を探すのかはしーらない!!」
そこから先は知っての通り。
ディミトリに下された司令は〈十大魔皇〉の殺害。手始めに4位を手に掛け、そこにガレスが擬態して成り代わる。
作戦当日。ガレスとディミトリが〈十大魔皇〉に緊急会議の名目で招集をかけ、学園から離す。その間に学園を〈観察者〉が占拠し、目的の人物を探す。
ただそれだけの作戦だった。
「敗因は、そこの嬢ちゃんだ。まさか一国の王女様が乗り込んで来るなんてな」
それさえなければ上手くいったはずだったのに。
なのに。
なのに――どうして。
いつも。
いつも上手くいかないんだ。
――まだ、ガレスは諦めていない。
「ねぇ、ガレス。あなたには白絡泉が7つあるのよね?」
アレクシアは気になっていたことを口に出す。
「私には2つある。なぜなら固有魔法が2つあるから。白絡泉の数と固有魔法の数は同じ。だとしたら、貴方は―――」
そう。ガレスは。まだ諦めていない。
「させるか!!――〈
ベルナルドは、まだ〈極〉を解除していない。
ディミトリを屠った謎の技でガレスに攻撃を仕掛ける。
「――ゴフッ!!」
ベルナルドの体は〈極〉を長時間にわたって使い続けたせいで、もう限界か。特にダメージを受けていないのにもかかわらず吐血する。視界がぼやけ、その場に倒れる。
そして、ガレスもまた。
ベルナルドの謎の技に敗れた。
「こちらは解決か。釈然としないが――詳しいことは後で調査じゃの」
と言いながら、学園に助っ人へ行ったララ、ジョージ、そしてリチャードへテレパシーを飛ばすオスカー。そして、事の顛末を伝える。
最後に。
「ソウカという女子生徒を何故か狙っている。見つけたら保護せよ」
と。
手際が良く、やることが早い。さすがの1位である。
それに一安心をするアレクシアと遠渡。だが、ここに残るわけにはいかない。すぐに学園に戻って手伝わなければ。
だが、もう立ち上がる気力もない。この数十分でいろいろ起きすぎたのだ。それに、人の――悪人とはいえ――人の死を間近で見たのは始めて。どうしたって気持ちに整理がつけられない。
無理をしすぎたのだ。
「あとは学園に残った者に任せるべきじゃな」
オスカーの言葉に、その場の誰もが頷いた。
***
放送室の前にたどり着いた白恋と颯歌、合流した仄火。
助っ人のジョージとララ。
これだけの人数がいても、この扉の先にいる明に勝てるのだろうか。
いや――勝つしかない。
勝たなければならない。
白恋は覚悟を決めて、扉を蹴破る。
その瞬間。
眼の前に広がる黒い霧に共にここまで来た仲間が吸い込まれる。
ただし、白恋は〈反射〉の呪いのおかげで吸い込まれずに済む。
「な、何が起きて――」
困惑する白恋を前に、放送室の中から霧の影響を受けずに明が出てくる。
それに対するは呪いを宿したただの学生。
だが、即死魔法も魔法の一種。ならば、〈反射〉はできるはず。彼女と戦うのが白恋だったのは幸いか。
だが、他のみんなは――どこに行った?
「安心して。みんなは〈別次元〉に飛ばされただけ。そこで私の部下と戦ってるよ」
「そうか。なら、すぐにお前を殺して助けにいかないとな」
「勝つつもり?相変わらず血の気が多いね」
白恋の失敗は。失態は。この明の言葉の違和感に気が付かなかったこと。
〈相変わらず〉なんてセリフ、初対面の人物に使う言葉ではない。それを普段の冷静な白恋なら気づけたはず。だが――何故か昂る戦闘意欲に圧され、白恋はそれを聞き逃した。
「真窮流剣術・秘剣の壱」
糸を束ねて剣を成す。それを居合の構えで明と向き合う。
「――
神速の域に達する超高速の居合抜き。抜刀と同時に相手の体は切断されている。
あまりの速さに、刀身と相手の体とが摩擦熱で焼け焦げる。
はずだった。
白恋は確かに明へ向けてその斬撃を放ったはずだ。
しかし、斬ったのは。
斬られたのは。
「肉壁ありがと――劉くん」
明の部下の一人だった。
「――あれ?動揺してる?まさか、そんな見え見えの居合の構えに、私が何の対策もできずに死ぬと思った?ねぇ――思った?思ったんだろ!!ギャハハハ!!考えが足りねえぞ!思考が浅いぞ!ダチョウの方がお前より賢いかもなぁ!!」
このガキ、只者じゃない。
確かに、この〈虚〉という技は弱点がある。それは、神速の域まで加速するための予備動作。いわゆる溜めが必要なこと。居合の構えを取らなければならないこと。
その構えを見れば、誰だって居合を警戒するに決まってる。
金――自己治癒の使い手だった金に通用したのは、そもそも彼には避ける必要がなかったからだ。
それを、〈敵に通用する〉などと思い込み慢心した己の負け。
だが、白恋はそこで終わらない。
メンタル――精神の保ち方は知っている。戦意の高め方は知っている。
〈Emperor〉――ジョン・ドゥに叩き込まれたのだから。
かつての痛みを、思い出せ。
「――俺は」
白恋は。
「メイリアを殺すまで諦めない。お前に秘剣の壱が通用しなくたって良い。まだまだあるんだぜ――秘剣」
「メイリア?――あぁ、メイリア・ヴェスターね」
明は鼻で笑う。
「自分で言うのも悔しいけどさ。私よりメイリアの方が強いよ?あのババアを殺したいなら、私に勝たなきゃね――無理だろうけど!!ギャハハハ!!」
そう言いながら、彼女は魔力を集める。その流れを感じることができるのは白恋だけに許された特殊技術。
「固有魔法――〈
――それを〈反射〉すれば勝てる。白恋の顔が僅かに綻ぶ。
それを見た明は、すかさず対象を白恋から部下へ変更する。
「――あぶないなぁ。〈反射〉が使えるの忘れてた」
だめだ。この女は、一切の挑発に乗らない。隙を見せない。
こちらが何かすれば、それを部下が代わりに受け止め、明に届かない。
部下の命を軽く見ているからこその行為か。
その思考にいっぱいで、白恋はまたも聞き逃す。
〈反射が使えるの忘れてた〉なんて言葉、どうしたら出てくるんだ。
これまでの戦闘で、明に対し〈反射〉を使ったことはない。
その疑問が浮かばない白恋のミス。
「天位流忍術・歩法の弐」
相手に視認さえされなければ、肉の壁を用意する隙もないだろう。
「―
刹那、姿を消す白恋。独特な脚運びと魔力の放出。これにより、相手の視界から外れるだけのものだ。
そのまま背後を取り、糸を明の首に巻きつける。
「やっぱダチョウ以下だろ――お前」
――だが、しかし。その糸は明に巻かれることはない。
「視界から消えるんだ。警戒して当たり前だろ。そういう奴は、背後を取りたがるもんだしな――雑魚」
そう言いながら明は糸を掴む。白恋が武器として使っている以上、その糸は必ず白恋とつながっている。
「雑魚はお前だよ――明!!」
白恋の武器は糸。これは魔力によって生成され、底を尽きることはない。加えて、その糸には。太さも能力も自由に変えられる機能付き。
「触れたら爆発――俺諸共な!!」
今回は、触れれば爆発する能力を付与していた。――ただし、〈反射〉の能力のおかげで白恋にダメージはない。
「――チッ!!」
明は吹き飛んだ右腕を抑えながら舌打ち。
ようやく明に届いた。ダメージが入った。
爆発のように広範囲に攻撃するのであれば、明は部下を盾にしない。しても意味ないからだろう。
これだ。これなら――勝てる。
「
明は不機嫌な顔で白恋に悪態をつく。
そのまま怒りに任せて白恋へ距離を詰めて来る。
「――問題」
白恋は急に明へ質問を出す。
「俺の〈反射〉は、なにもかも跳ね返す。ダメージも痛みも傷も全部だ。それは自傷も跳ね返すことができる」
「
「俺の自傷行為のダメージって、どこに跳ね返るんだろな」
そんなの知るか。そう言わんばかりに明は攻めてくる。
その問題の答えは。
白恋に跳ね返る。
白恋が自傷行為をした場合、そのダメージは跳ね返る。だが、跳ね返る先も白恋である。跳ね返ったダメージを跳ね返す。そしてそのダメージを跳ね返す。
跳ね返ったダメージを跳ね返し、更に跳ね返し、更に更に跳ね返し――それが無限に続く。
では、次の質問。
その無限に跳ね返るダメージは、どこで反射を繰り返すのか。
答え。
白恋が自傷行為をしたその場所で、跳ね返り続ける。
それは、反射をその場で無限に繰り返す。反射のダメージは、毎回上乗せされ累積される。反射が起きる度にその威力が上がっていくのだ。
つまり。反射が無限に繰り返されるその場所を、別の誰かが通過した場合。
その者が、今までの蓄積された反射ダメージを全て受けることになる。
ちなみに、反射は毎秒120回のペースで行われる。
白恋が自爆してから明がその場を通過するまで、およそ20秒。
120かける20。威力が青天井で上昇していく反射反射ダメージを。
明はその体に2400回も叩き込まれることになる。
「まっすぐ突っ込んでくれて助かった。さて、ダチョウはどっちかな――」
2400回のダメージに耐えきれるはずもなく。明の体が盛大に爆ぜた。
***
一方その頃。助っ人に来たはずの6位―リチャードは。
「広いな――この学園!!」
完全に迷子になっていた。
***
霧の中、別次元。
ララは一人、双頭の狼を前にしていた。
「はぁ――捌いたらおつまみにはなるかしら?狼ってジビエ料理になるのかしら?ヒック!!」
呑気なことを言いながら、眼の前の猛獣には目もくれず、どこからか日本酒の瓶を取り出し、それをラッパ飲み。
「狼ごときが、〈
「ガオォォォォォォ!!」
ありきたりな叫び声をあげ、狼はララに飛びかかる。前足を振りあげ、それを全力で叩き付ける。
それにすかさず反応するのは、さすが7位。
飲んでいた酒瓶を叩き割り、狼の脚へ突き刺す。その程度の痛みなど、獣からすれば気にならない。
「やっぱり、私を満足させてくれる酒も相手もいないのね」
ララは水属性の汎用魔法で対抗する。
任意の液体を操ることができるだけの魔法。そう言われれば大した効果もなく弱いように感じるが。――しかし。
ララは酒瓶を突き刺したその傷口から直接酒を注入。血管にアルコールが入るとどうなるか。
答えは簡単。急性アルコール中毒による死である。
もちろん、酒に対する強さはそれぞれ。どんなに飲んでも全く酔わない人もいるくらいだ。逆に1滴で十分に酔える人もいる。
元来、アルコールとは毒物。それを肝臓などの身体に備わった機能で無理やり解毒しているわけだ。
さて、血管からアルコールを注入されるとどうなるか。それは、肝臓を経ずに全身へ回るため、かなりの少量でも十分。この血管に注入する方法でも、酔う酔わないは個人差がある。だが、かなりの確率で急性アルコール中毒を引き起こす。
そこから更に注入し続ければ、待っているのは死だ。
それは狼とて変わらない。
魔獣――魔力を得て、姿かたちや習性、気性などが凶暴化した動物のことを指す総称。この狼も、魔獣の類だろう。
これがカラスや水棲哺乳類などのある程度の知能や知性を備えていればまた別だが、大概の魔獣は魔法を使えない。
では、魔獣化するメリットは何か。
――皆無である。
獣が魔力を得ても、それを操るだけの知性がないのだ。
ただ凶暴になるだけ。
その凶悪無比のケダモノを、ただの汎用魔法で倒す。
ララ・フォン・ヴィンケルマン。
〈十大魔皇〉で唯一、固有魔法を持たない魔法士である。
***
また、時を同じくして別次元。
そこにはジョージと仄火が飛ばされていた。
颯歌はいない。
「――まずいね」
仄火は周囲を見回して焦りを顕にする。
「そうね。明と戦う前にまた消耗させられるなんて」
ジョージはその言葉に賛同し、待ち構えていた敵を睨みつける。
「それもそうですけど――違うんです」
「あら――ワケありのようね。何がまずいのかしら」
ジョージは仄火の焦りの要因が別にあることを察して、理由を尋ねる。
「颯歌がいないんです」
「あの無口な女の子ね?それが何か?」
仄火は、嘘をついている。
颯歌は決して人見知り故の無口ではない。
一凪 颯歌には、ある秘密がある。
それは。
「颯歌は多重人格者なんです」
多重人格。
それは、過酷な状況に身を置かれた者が、自己防衛としてとる手段。己の中に他の精神を作り出すことで逃げる。
簡単に言えばこの程度。
しかし、その〈過酷な状況〉によって、多重人格の重さが変わる。
一凪 颯歌は幼少期の虐待により、いくつかの人格を作りだした。
現在、彼女の人格は主人格を含め4つ。
普段の人格は、虐待により心に深く傷を負ったが故に、声を出すことが出来なくなった颯歌。
それが、1人ぼっちになると人格が入れ替わる。入れ替わってしまう。
「どうなるのかしら?」
ジョージは、ただならぬ雰囲気を仄火から感じ取り、恐る恐る尋ねる。
「それは―――言えません。でも、大変なことになります」
「なら、早く行かなきゃいけないわね」
ジョージは改めて目の前の敵と対峙する。それに応じるように仄火も避雷針付きの短剣を構える。
「大根って三角定規を倒すとドロップするんだよね?富士山の麓で万歳すると、激怒した日本人形が紙袋を食べるんだ。そうそう、ライオンには味噌汁の出る蛇口は付いてないけど、蟹には力士のお気に入りの食器用洗剤が合うんだってね」
―――は?
「――何を言ってるのかしら」
ジョージの経験上、話の通じない奴はものすごく弱いか、ものすごく強いか。
弱くあってくれと願うジョージ。だが、本能が察している。
それは、戦闘の素人の仄火も同じ。
まだ明を相手した方が攻略しようもあっただろう。だが、このイカれた魔法士を攻略できる未来が見えない。固有魔法もまだ分からない。戦闘能力もまだ未知数。
けれど、分かる。
2人は口を揃えてこう言った。
「「コイツ――強い!!」」
全身を駆け巡る嫌な寒気と鳥肌。
それを堪えて、2人は出方を伺う。
対する相手は。
「あ、チョウチョだ」
何もない空間を見つめ、無邪気に笑っていた。
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