第10話 カラフルな雨が降る世界

夢を見た。


いやぁ、いろいろ懲りて、死にゲーはやめたんですけどね。

寝る前にゲームするのもやめたんですけどね。

ここのところ毎日夢を見ているなぁ。

まあ、そう簡単にやめられたら異世界じゃないからな…。


ピチョン。ピチョン。

何処からか雨音がする。

外は雨が降っているのかな。


ピチョン。ピチョン。

小さな雫が落ちてきて弾けた。

見上げると、色とりどりの小さな雫が降ってくる。

赤。青。黄色。桃。紫。橙。空色。

虹を作っているみたいに、陽気に、カラフルに、ピチョン、ピチョン。


何だか釣られて踊り出したくなった。

雨の中をカラフルな雫達と一緒にクルクル回る。

雫が飛び跳ねる。ぶつかる。弾ける。増える。消える。

増えて、消えて、増えて、消えて、回る回る虹色の世界。


んん?増える?

雫が降り積もって、消えて、降り積もって、消えて、

ん?積もってる?


いつの間にか、雫は手のひら位の大きさに。

色んな色が集まって、くっついて、弾けて消えて。


いつの間にか、雫はボール位の大きさに。

色んな色が集まって、くっついて、弾けて消えて。


いつの間にか、雫はクッション位の大きさに。

色んな色が集まって、くっついて、弾けて消えて。


いや、狭い!ちょっと溜まってきた!

避けよう!何となく色分けした方が良い予感!


あう。挟まった。く、くるし…。

まだ降ってくる。なんか茶色とか黒とかも混ざってる感じ!

ギブ!ギブ!ギブですからー!!


ザリっと舐められた感触に雫が全て弾けて、目が覚めた。

胸の上にモフモフの三毛。茶色とか黒とかの原因はお前か…。

そりゃあ息苦しいよね。


そっと幸せな溜息をついて、背中を撫でた。

君のいる世界が一番だ。



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寝る前にやってないゲーム: ぷよぷよんとした水まんじゅうと戯れるパズルゲー。

未だに折り返せない。

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夢十夜〜夢の中は異世界〜 白火取 @shirohitori

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