カワハギと殺し屋
「おはようございますジョーさん…」
「おはよう、昨日も大変だったみたいだな」
「…毎度の事なんで。ラオさん腕もいいし人も良いからあまり文句は言えないですけど」
「まぁ、俺らの仕事は結果第一だからな。あいつはうちのエースだし、こっちが妥協してサポートしないと。余計なこと考えて失敗されても困るしな」
「そうですね、俺書類整理してきます」
朝から疲れ切った顔で出社してきたのは部下のシンジ。昨夜ラオが請け負った仕事の付き添いをしていたので、いつも通り心配をかけさせられて疲れていたようだった。昨日はまた大人数の依頼で、途中イヤモニが踏みつぶされて音信不通になり色々と大変だったらしい。
裏仕事用のパソコンを開くと、3通の依頼メールが入っていた。従業員の力量に合わせて依頼を振り分けていくのが社長である俺の仕事だ。昔はライフルを使った殺しを得意とした殺し屋だったのだが、今はもう引退してデスクワークの日々。
1つは役の売人の下っ端の処分。2つ目は殺人事件の被害者遺族からの復讐依頼。3つ目は…
「…探偵、か」
探偵殺しの依頼。これは中々珍しいな…それにこの依頼人、昔にも探偵を殺してほしいと連絡してきたことがあったな?俺の記憶がただしければ、これは有無を言わさない仕事だったはず。厄介だな…こんな時は、
「もしもし、仕事だぞラオ」
あいつに任せるのが一番。電話の向こうで寝起きでありながらまた休日出勤かよ!とワーワー騒いでいる声がする。また今度好きな日に休み取らせてやるから許してくれ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます