「…あ、いや!何でもない!ちょっと知り合いに似てたものだから」
「お知り合いですか?」
「うん…でも他人の空似なんてよくあることだし、本当に気にしないで」
私が一度引いたことで悪気がない事が分かったのか、彼女は自ら突っ込んできた。
「彼、○○出版社で働いてるんですけど、サクラさんのお知り合いとは違います?」
「え…い、いや、そこです。」
「じゃあ、同じかもしれないですね!ちなみにお名前は?」
「葉山さんと言うのだけれど、」
「まさに同じですよ!えっ、ヒロキさんとお知り合いだったんですね!なんかサクラさんに運命感じちゃいますよっ」
…彼女は心底お人よしのようだ。単に私と葉山ヒロキが知り合いなだけだと思っている。
「…いつからお付き合いしているの?」
「ん~3年位前ですかね」
「そっか、」
「…何か、良くない事でもありますか?もしかして、サクラさん占いとかできちゃう人だったり⁉」
何を思ったか、私が深刻そうな顔をしている理由を”占いで2人の相性が悪いとでた”という解釈をしたらしい。ここまで鈍感に人を信用してしまうなら、ヒロキの不倫に全く気付いていないのも納得だ。
「占いができる訳じゃないんだけど…私が知り合いなのは、葉山ヒロキさんじゃないの、」
「え?じゃあなんで、」
「…葉山ヒロキさんは、私の友人の旦那さんなの」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます