何とか次の日、マナの出勤時間までにマンションの前に隠れることが出来た。最寄駅から2駅離れた所にある飲食店で働いているようで、ラフな格好で出勤している。どう頑張っても彼女にまで盗聴器を仕掛けることはできないので、勤務先だけ確認して一度退散することにした。昨日の2人の会話から、仕事が終わるのは5時頃だと言っていたので、しばらくの間は事務所で仕事をしていることに。
「おはようございまーす…」
事務所に来たは良いものの、まだ朝8時。うちの職場でこんな時間から出勤してくる人なんて当たり前にいないので、もちろん誰もいない。タイムカードを押して自分のデスクに座ると、朝から何も食べていなかったことに今更ながら気が付いてギュゥっとお腹が鳴った。
給湯器をつけ、引き出しに常備している春雨のカップスープを取り出しお湯を注ぐ。春雨が戻るのを待つ間にパソコンを立ち上げておく。私は決して段取りが良いわけではないので、早め早めで動いていかないと後で痛い目を見る。分かっているのに中々手際よくできない…というかする気がないんだけどね。
「あっつ、」
生姜のきいたスープを啜ると、朝だって言うのにお酒が飲みたくなる。中毒っていう訳ではないけれど、1日1回はアルコールを摂取しないとすっきりしない。明後日はラオとナカマ食堂に行くことになっているので、それまでは安いご飯とお酒で我慢する。
パソコンに集中すること1時間。ようやく1人目の出勤者が事務所に入って来た。
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