「…ではご依頼内容は、息子さんの死の真相を突き止める。という事でよろしいでしょうか?」

「はい、お金はいくらでも払います…あの子は、少し素行が悪いところもありましたが親想いのいい子…だったんです、あの子がまさか…」

 涙を押し殺しながら訴える目の前の女性。3カ月前に亡くなった息子さんの死因にどうも疑問を抱いているらしく、悩んだ末に探偵事務所を頼ったらしい。

「分かりました。料金につきましては先ほどご説明した通りで大丈夫です。なるべく早く結果を出せるように努めますが、少なくとも数週間は見積もっていてください。ある程度の状況が分かりましたら中間報告としてまたお越しいただきたいので、ご連絡いたしますので」

「…はい、どうぞよろしくお願いいたします」

 ソファから立ち上がり深々とお辞儀をされる姿を見て心がいたくなった。調査対象の男性は3カ月前に事故死。とはいっても、ドラックを多量に使用した後に階段から転げ落ちて打ち所が悪くなくなってしまった、という感じだ。この女性は、息子が薬を使ったという事実がどうもおかしいという。あまり良くない友人とつるむようになっても、薬に関しては毛嫌いしていたようで、彼女は誰かに無理やりやらされたのでは。と疑っているのだ。

 仕事内容としては、探偵というより身辺調査だろうか。それほど難しい事ではないのだが…

”福原修二”

 名前を聞いたとき、俺は嫌な予感。というより良くない結果が出ることを予感した。

 …旨い飯を食べるためにナカマ食堂へ行くのが通常なのだが、仕方がない。もちろん食事はするが、目的変更となりそうだ。奴が来るのは、確か毎週水曜日と土曜日だったか。


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