「いいか、ただ殺すだけでいいならナイフを使う必要はないんだ。例えばこの裁縫用の針。頸動脈をきっちりと狙えばこれだけで息の根を止めることが出来る。だからやみくもに殺しをするんじゃなくて、一番リスクが少なくスマートにできる方法をとることが大切なんだ。よく見ておけよ、ただしここから一歩も動くな」
「分かりました」
翌週、ある仕事と並行してて部下の教育を行っていた。今回の依頼はただ殺すだけでよかったので、誰かにバレる事さえなければ特に危ない仕事でもなかった。見学の部下が近くにいても困ることはなかった。そっと陰から出てターゲットに近づく。素早く動きを封じ込めて、先ほど説明をしていた通りに裁縫用の針を首元に突き刺す。血しぶきをまともに受けないようにターゲットの身体を振り落として何事もなかったかのようにその場を去った。今回も成功した。
「もう出て来て良いぞ。俺の10メートル以上後ろを歩いて帰ってこい」
携帯で部下に連絡を取り、栄えた町の影を歩いて帰る。地下に入ったところで待ち合わせをしていたので、そこで落ち合った。
「初めてマツさんの仕事見させてもらいましたけど、凄いですね…先輩たちがあの人はレベルが違うという理由が分かりました」
「そうか?うちのメンバーは皆優秀だぞ…なぁシン、腹減らないか?」
「めっちゃ減ってますよ、もう22時ですから」
「じゃあ飯食いに行くか」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます