「ただいま」

「あ、お疲れ様です!」

 久しぶりの家に帰ると、タマを抱えたリリが奥から出て来た。仕事に出かけた時よりも綺麗になった自分の家を見て、やっと帰ってきた感じがしてほっとする。血のシミのついていた服も綺麗に洗濯されていてソファーの上に置かれている、これまたリリに感謝だ。また今度ボーナスを渡さないとな…

「今回も助かったよリリ。タマも大喜びだっただろ?」

「えぇ、ずっとベッタリくっ付いてくれてて凄い癒しでした。やっぱりかわいいですよね、猫ちゃん飼ってるのマツさんだけなんで、タマちゃんに会えるの本当に楽しみにしてるんです」

 ほかのメンバーは、犬にウサギ、高級な金魚に爬虫類と多種多様なペットを飼っている。猫派のリリはうちに来るのを…タマに会うのを楽しみにしてくれているらしい。家を出る前には散らかしっぱなしだった書類や本も綺麗に元の場所に直されていて、更には綺麗に吹き上げられている。流石だな。

「リリ、今日はもう終わりか?」

「えぇ、ほかの皆さんの家はすでに回って来たので」

「残業代弾む仕事するか?」

「えっ危険なやつは嫌ですよ⁉」

「そんなことさせるわけないだろ、というかさせたことないだろ?明日ナカマ食堂が休みなんだ、だからその分の食事を作っていってくれないかと思ってな」

 何度か前に同じようなことを頼んだことがあったので、食堂が休みだと言った時点でおおよそのことが把握できたのか、あぁ。と頷かれた。

「全然かまいませんよ?なんか食材はたくさん買って来てくださっているみたいですし、やらせていただきますっ」

「助かるよ」

「マツさん本当にあそこのご飯好きですよね~。努力はしますけどあれほどのクオリティーは求めないでくださいね?」

「十分美味いから安心しろ」

「あっ、残業代よりも、今度ナカマ食堂に連れて行ってくださいよ!私あそこに一人で行くのはちょっと気が引けます」

「そんなことで良いのか?いいぞ、来週あたり落ち着くから行くか」

「やった~」

 リリが作業をしてくれている間に風呂に入らせてもらおう。明日はゆっくり寝られるし、酒でも飲みながらのんびりするか。


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