「ただいま」

「あ、お疲れ様です!」

 久しぶりの家に帰ると、タマを抱えたリリが奥から出て来た。仕事に出かけた時よりも綺麗になった自分の家を見て、やっと帰ってきた感じがした。血のシミのついていた服も綺麗に洗濯されていて、リリに感謝だ。また今度ボーナスを渡さないとな…

「今回も助かったよリリ。タマも大喜びだっただろ?」

「えぇ、ずっとベッタリくっ付いてくれてて凄い癒しでした。やっぱりかわいいですよね、猫ちゃん飼ってるのマツさんだけなんで、タマちゃんに会えるの楽しみにしてるんです」

 ほかのメンバーは、犬にウサギ、高級な金魚に爬虫類と多種多様なペットを飼っている。猫派のリリはうちに来るのを…タマに会うのを楽しみにしてくれている。ローテーブルの上には、家を出る前には洗っていなかった血の付いた服も綺麗に畳んでおかれている。流石だな。

「リリ今日はもう終わりか?」

「えぇ、ほかの皆さんの家はすでに回って来たので」

「残業代弾む仕事するか?」

「えっ危険なやつは嫌ですよ⁉」

「そんなことさせるわけないだろ?明日ナカマ食堂が休みなんだ、だからその分の食事を作っていってくれないかと思ってな」

 食堂が休みだと言った時点でおおよそのことが把握できたのか、あぁ、と頷かれた。

「全然かまいませんよ?なんか食材はたくさん買って来てくださっているみたいですし、やらせていただきますっ」

「助かるよ」

「マツさん本当にあそこのご飯好きですよね~。あれほどのクオリティーは求めないでくださいね?」

「十分美味いから安心しろ」

 リリが作業をしてくれている間に風呂に入らせてもらおう。明日はゆっくり寝られるし、酒でも飲みながらのんびりするか。


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