第4話
「柊さん…」
柊さんの本音を聞いた俺はなんとも言えない気持ちになった。
だけど柊さんが楽しい学校生活を送れるように手伝うという気持ちはある。だから柊さんに頼られたら絶対に最後までやるつもりだ。
やべ。柊さんのことに集中しすぎた。早く帰んないと妹に怒られちまう!
急いで忘れ物をとって帰らないと。
「遅い、兄貴!」
「ごめんてば。クラスの人と話しててさ。」
「そんな言い訳はしなくていいの!兄貴は私のことを第一に考えて欲しいの!」
「わかったよ。明日は早めに帰るからさ。」
「それだけじゃ嫌!」
「わかった。今日は少しだけだけど一緒に遊ぼう。」
「仕方ないな。それで今日のことはチャラにしてあげる。」
「ありがとう。じゃ早くご飯食べちゃおう。」
このちょっと生意気な感じがある妹の名前は月姫。
まだ中学一年生だ。
俺と月姫は3年前に両親を交通事故で亡くしてしまい今は叔母さんの所で暮らしている。
月姫は親が急にいなくなったことで心に傷をおってしまい今は不登校になっている。
事情が事情なだけに学校の方も無理に来いとは言わずにオンラインでやったり課題を届けてくれたりしている。
だけど月姫は1人で家にいることがどうしても多くなってしまってる。だから俺はいつもなるべく早く月姫がいる家に帰るようにしているというわけだ。
「兄貴。今日何かあったの?」
夕食を作り終え月姫と二人で食べ始めると月姫がそんな質問をしてきた。
「そうなんだよ。それがあったから今日は帰るのが遅れたんだ。」
「ふーん。てっきり学校に忘れ物をして取りに帰ったらたまたまなんかあったってわけじゃないんだ。」
いや、当たってるなぁ〜。怖いなぁ〜。
「まぁいいや。早く食べてゲームやろ。」
「わかったからそんなに一気に食べるなって。喉に詰まっちゃうから。」
「だいじょぶだって。」
「食べ終わったし早くやるよ!ほら、早くして!」
「先に準備しててくれ。皿洗ってからやるから。」
ご飯を食い終わった俺たちは早速ゲームを始めることにした。
日本一有名だろうあの格闘ゲームだ。
俺の持ちキャラは連れ去られない方のタイトルにもなってるあのお姫様で月姫は力こそパワーというようなキャラを好んで使っている。
ちなみに月姫は脳筋キャラを使うだけあってそこまで上手い訳では無いのだ。だからバレない程度に負けたりをしてご機嫌を取らないと拗ねてしまう。
「おりゃー!どうだ兄貴!最大溜めスマッシュをお見舞いだ!」
「くっそー。痛すぎるだろそれは!(月姫は火力高いキャラを使うから調整が地味に大変なんだよな。)」
さっきから月姫が負け続けてるからそろそろ負けないとちょっと機嫌が悪くなりそうだなぁ。でもストック差があるからどうやって負けようかな。
「あっ!今の絶対届いたでしょ!もっと復帰強くして欲しいんだけど!」
あっ…
笑顔の花が咲きほこるまで(仮タイトル。タイトル募集中) スパルタンEX @gerogerosama0608
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