第20話
翌日の朝一に其々のチームのリーダーと、副リーダーがギルド長室に集まる。人口密度がかなり低いため、息がしやすい…冒険者って世紀末から近未来風な変わった人が多いから、色々濃い。
チーム北からは、リーダーは俺。副リーダーはザブリー。コミュニケーションに長け、悪魔に1番最初に立ち向かっていた度胸が気に入った為彼にした。
一方、チーム南はリーダーはピィナ。副リーダーは聡明そうな魔術師らしき男性だ…良かった…あのモヒカン選んでたら、どうしようかと思った…流石にアレは無いか!
そんな事を考えていると、ギルド長室の扉が開きゴッツさんが入室してきた。
「遅れて悪い。」
些か疲れている声音でゴッツさんが言った。よく見ればなんだか、やつれている気もする。
「なんせ、住民の避難や被害の予想。国へ騎士団の出動要請と食料や飲料水…などやることが沢山あってな。」
成程。ギルドはそんなこともやっていたのか。確かに被害の予想や、住民の避難等たくさんあるだろう。俺は心の中で彼を労った。
「うぉん"ッん"…では会議を始める。まずチーム北だ。チーム北は…5人しかいないから、言うことないな…兎に角。
「…そうですよね…彼、普通に悪魔とかコブラとか召喚仕出すし、スタンピートよりヤバいですよね…」
ゴッツさんとザブリーは俺にキツくないか?スタンピートより危険視される俺は一体何なの???それにしてもゴッツさんの咳払い、癖強すぎ。
ゴッツさんは話を続ける。
「チーム南は町の入り口を守護する大切な役目だ。CやF級は町の中で、逃げ遅れた人がいないか、確認してくれ。Bからは入り口の守護に回せ。副リーダーのハリスは、ピィナに代わって全体を指揮するように。ピィナは全力で敵を倒して欲しい。」
俺は全力を出さないでピィナが全力を出すって…逆じゃね?解せぬ。
「其々準備があるだろうから、会議はここ迄にする。解散してくれ。」
…来た意味あった?形ってやつかな?
会議は10分でお開きとなった。
ゴッツが忙しそうに退室した後、俺たちは其々のチームが待機している場所に帰って行った。
帰り際にピィナが俺に話しかける。
「あーあ。星辰と違うチームだなんてね…アンタの力を間近で見たかったのに…まぁ…同じチームだと過剰戦力になるもんね…仕方ないか…」
「そうだな。俺もピィナと一緒に戦ってみたかった。今度良かったらパーティー組んでくれないか?」
しみじみ思う。先輩冒険者の実力は…S級はどれ程の力なのか見てみたかったし友達と一緒に戦いたいと思うのは普通の事だろう。
「そうね!アタシ達パーティーを組みましょ!アンタにしては良いこと言うじゃない!」
ピィナは嬉しそうな表情をしていた…子供の前以外でもそういう表情が出来るんだな…なんだかピィナから目が離せなかった。
俺たちは其々の待機場に着くまでパーティー名を考えたり、行きたい場所をはなしていた。
因みに、チーム北の待機場、訓練場に着いた俺は、ザブリー達を鍛えるため、コブラや悪魔を召喚したのであった。
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