第18話

ギルドの一室にゴッツとナヌリー、ピィナ、星辰シンなどの冒険者ギルドの面々とB級以上の冒険者が集まる…明らかに世紀末の様な風貌の冒険者がいれば、ヒキニートみたいな格好の冒険者が沢山いる。


ゴッツが部屋に居る冒険者を見渡した後、重々しい口調で話し出す。


「スタンピート発生の前兆が伺えた。」


俺を除いた面々が息を呑む。


「ギルドが隠密に長けた冒険者数名を斥候として森々に放った所、町の南の森と北の森に魔物の軍勢が集まり、3日後にはこの町に着く予定だ。」


ーーー3日後。

俺はギリギリで伝えたんだな。


世紀末のモヒカン頭が嬉しそうに話しだす。


「ヒャッハーーーーー!魔石と素材がガッポガッポだせーーーー!この!モヒ・カーン様が魔物共を全て狩ってやる!!」


この世紀末頭はモヒ・カーンというらしいな…

一方ヒキニートのような冒険者は


「あぁ…終わりだ…この世の終わりだ…ぼ、ボキなんかが生き残れる訳ない…あぁァァァァァ」


見た目通りめちゃくちゃ暗かった。


「静かに!」


ゴッツの野太い声が場を静かにさせる。


「冒険者達を2つのグループに分けた後、更に後衛、中衛、前衛の3チームに分ける。2つのグループのリーダーは、南はピィナ。」


おぉ!ピィナの名前が出た瞬間声が上がる。そういえば彼女はS級冒険者だったんだ…

北側のリーダーはモヒカン以外だったら誰でも良い。


「そして北側のリーダーは星辰だ。」


(えっ???)


俺の内心を表明するように、部屋の中に響めきが走る。案の定モヒカンがゴッツさんに噛み付く。


「はぁぁぁぁ?ポッと出の野郎だって?!納得いかねー!」


モヒカンは此方を睨む…イヤイヤ俺の方が聞きたいわ!!


ゴッツさんがモヒカンを一瞥した後、静かな声で話し出す。


「……星辰はあのグリフォンを倒した。」


先程とは別の意味でどよめきが走る。ゴッツさんはそんな事は無視して話し出す。


「彼はS級冒険者に限り無く近い力を有している。下手したらS級の実力よりもSS級に近いかもしれない。」


ピィナが口を挟む


「そうね。彼はアタシより確実に強いわ。」


もう、皆んな目をガン開きにして俺を見てくる…居心地がめちゃくちゃ悪い。


「お、俺様は信じねーからな!」


モヒカンが声をあげる…ピィナよりは強いかどうかは、分からないが確かにグリフォンは倒した。


「安心すると良い。モヒ・カーンと星辰は分ける。星辰の実力は少数でこそ発揮される。だから北のグループは星辰を含めた5名のみ向かわす。」


(へぁぁ?お、俺を含めた5人!?スタンピートに!?)


「星辰の魔法、スキルは未知数だ。人海戦術では無く、少人数精鋭で進める。因みにメンバーは、剣士のザブリー・ガバラン君、同じく剣士のアンジェリカ・ハルン君、回復術師のアリス・アルカ君、罠術師兼伝達役のミゲル・パーソン君、最後に魔法術師星辰君。以上だ。」


呼ばれた冒険者の面々が一歩前に出る。

剣士のザブリー・ガバランは、如何にもモテそうな風貌をしている。サラサラの金髪に蒼目。高身長で甘い顔立ちだ・女受け抜群だろう。


同じく剣士のアンジェリカ・ハルンは、キリッとした雰囲気で剣を想起させるような女性だ。青い長い髪を高い位置で1つに括り、切れ長な赤い瞳。胸はピィナ以上ナヌリー未満だろう。


回復術師のアリス・アルカは多分男を喰いまくっているタイプだ。二つに結んだ髪はピンク色で瞳は茶色。可愛らしい雰囲気だか、何故だか裏がありそうな感じがする…蛇は鋭いのだ。因みに胸は大きく、ナヌリーと同じぐらいだろうか?胸元が大きく開いている服を来ている為分かりやすい。


最後に罠術師兼伝達役のミゲル・パーソンは元気そうな男の子…多分12歳ぐらいの子供だ。オレンジ色の癖のある髪に翡翠色のパッチリとした目。まだ身長は高くなく子供の平均くらいだろうか?




4人が俺の方に向かってくる。


「俺はザブリー。A級だよー!君みたいなナイスガイと仕事できるなんて光栄だ。ヨロシク⭐︎」


「私はアンジェリカと申す。A級冒険者だ。短い間だがよろしく頼む。」


「アリスはアリスぅ♡B級だよ。ねぇ星辰君すぅごくイケメンだね♡アリスとナカヨクしてね♡」


「僕はミゲル!小さいけどB級冒険者だ!子供扱いするなよ!」


其々が自己紹介をしてくれたので俺もする。


「俺は星辰。一応A級だ。主に魔法で戦う。みんな!よろしく頼む!」


人と余り関わったことがないので緊張してしまった。其々と握手をした所でゴッツさんが


「では、明日の正午にリーダーと副リーダーで話し合いを設ける。必ず来るように。では解散」



解散の号令が掛かったあと俺等は防具などを揃える為バラバラになった。

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