第12話
時が経ち俺たちはギルド長室に戻っていた。
コージーも目を覚まし、汚れた紐パンとズボンを着替えていた。
俺は今度はゴッツさんの隣に腰掛けている。
コージー等は向かい側にこれまた態度悪く座っていた…この図々しさは誰にも負けていないと思う。
ゴッツさんが口を開く。
「決闘は彼…
…えっ?俺にくれるの?
コージーは此方を睨んでくる…顔だけは怖いな…
「チッ」
舌打ちもした。コージーが感じ悪く
「どーせグリフォンなんか誰にも倒せない!この町は終わりだな!グハハハハ!」
コージーは高笑いをする。ゴッツさんは、心底コージーにムカついているのか顔を顰めながらコージーに向かって話す。
「コージー。君には話していなかったがグリフォンは討伐済みだ。」
「は?え?」
コージーの間抜けな声が響いた。
そんなコージーの様子だなんてお構いなしにゴッツは続ける。
「討伐したのは他でも無い彼、星辰だ。」
ゴッツが少し意地の悪い笑みを顔に乗せてそう言った。
「テメェ!仕組んだな!俺がテメェに勝てない事をわかっていながら決闘に乗ったな!」
コージーが此方に体を乗り上げ唾を飛ばしながら
言ってきた。
「そうだか??」
俺は至って平然にそう言い放った。
コージーはそれが癪に触ったのか此方に向かって拳を突き出してきた。
俺は軽々とその拳を受け止めて拳を握りしめる。
「〜〜〜ッ痛ぇだろ離せっ!」
コージーから仕掛けてきたくせに…俺は拳を離した。
コージーは相当痛かったのか手に向かってフーフーと息を掛けている。きっっっったね!
そんな彼を見ながらゴッツさんは口を開く。
「これ以上冒険者としてふさわしく無い態度、問題行為をするのなら冒険者資格を剥奪する。」
流石に困るのかコージーは大人しくする。
静かになったコージーを見やりゴッツさんは話を続ける。
「話は終わりだ。もう帰って貰って構わない。ただ決闘前に約束した"全財産"を星辰に支払うように。いいな?」
ゴッツさんは殺気を出しながらそう言った。
帰り際に良くある捨て台詞を吐きながらコージーらは退室した。
「テメェ覚えてろよ!!!」
流石にベタ過ぎやしないだろうか…
部屋にゴッツさんと2人きりになる…やばい!また、あたしのこと好き?とか聞かれたら非常にまずい。ゴッツさんが口を開く。如何しよう…如何しよう…!だが別の言葉が飛んできた。
「あんた。今回グリフォンは少なくとも本当に倒したわね?」
おっとエリリンになっている。先程迄の威厳はどこへ行ったのやら。
「だから討伐報酬があんたに支給されるわ」
そうなのか!俺は若干驚いた。
「その額一億ゴールド。」
「えっ???」
一億ゴールド???0が1に何個つくんだ???
俺が驚愕しているのをお構いなしにエリリンは話を進める。
「そしてグリフォンの討伐成功の特典としてあんたはF級冒険者では無くA級冒険者からスタートになるわ。すでにギルドカードは出来ているわよ。」
俺はエリリンからギルドカードを受け取った。
カードは軽いのに確かな重みを感じた。
「ギルドカードを紛失した場合は再発行が出来るけど費用と時間が掛かるから無くさないようにして。」
「分かりました!今日から冒険者として頑張ります!」
そう俺は元気よくエリリンに言った。
「そぉ!頑張るのよ!今日は疲れたでしょう?ピィナも待ちくたびれて居るだろうしもう退室して良いわよ。グリフォン討伐報酬と魔石の売買したお金は後日また用意するわぁん!ギルド職員を宿屋まで送るから待っていて⭐︎」
そうエリリンが言い、俺は帰路に着いた。
帰路についている時、俺は俺のことを付けている人影…3人を察知した…蛇は感覚が優れているのだ。こんなにネチッこく視線を向けられれば簡単に分かる。俺は正体を暴く為敢えて人気の少ない道を選ぶ。誰もいなくなった瞬間襲撃を受けた。
「……」
俺は攻撃を先読みして避けた。殺気がダダ漏れなため読むのは容易い。
後ろから舌打ちが聞こえた。
「チッ外したか…」
この声は紛れもなくコージーであった。
(やはりか…)
俺は特段驚いていなかった。何故なら足音がコージー、ユールーズ、ヨーエのものだったからだ。
蛇は皮膚感覚も優れている。足音を耳で感じるのでは無く肌で感じるのだ…まぁ今の俺は聴覚も発達しているが…
そんな事を思っているとコージー達が俺を囲む。
「さっきは俺をボコボコにしてくれたなぁ!よくも俺を恥ずかしめやがって!テメェを俺の奴隷にしてやる!」
「そーでふ!大人しく金だけ置いて死にやがれでふ!」
「ヨーエに忠誠を誓って犬になってくれるんだったら可愛がってぇあげるけどぉ!」
コイツら反省のはの字もしていないようだ。
「誰がもう一度お前たちの奴隷になるものか!」
俺はコージー達に心底ムカついていた。
「はぁぁぁ?俺たち初対面だが!"もう一度"って如何いう意味だ!」
…コイツらが俺を分からない事は知っていた…姿形が違うのだから。でも…イラつくものはイラつく。
だから俺はコージー達にこう言ったのだ。
「…初対面じゃ無い。俺はお前の従魔だったレッサーサーペントだ。」
「は?」
「でふ?」
「え??」
上からコージー、ユールーズ、ヨーエだ。
「そんな訳ないだろ!あのクソ使えない無能な雑魚サーペントはグリフォンの生贄にした!生きているハズないだろう!」
コージーがそういう。
「蛇の生への執着を甘くみたな…蛇は執念深いんだ。グリフォンは俺が殺した…さっきゴッツさんが言っただろう?次はお前たちだ。蛇は怨み深いんだ…」
俺は殺気を放出し笑みを浮かべながらそう言った。一歩コージー達へ近づくとコージー等は腰を抜かしその場に座り込んだ。
「!誰のおかげで今まで生きてこれたと思っている!もう一度俺の従魔にしてやるから許してくれ!
」
「そーでふ!お前はコージーさんの役に立てた事を喜ぶでふ!」
「あんな雑魚でもヨーエの為になった事を感謝するべきよ!」
…つくづく馬鹿な奴等だ。だから俺は魔法を展開してコージー達を拘束する。
「中級闇魔法
地面に縫い付けた。
コージー達は地面に縫い付けられ動けない事を理解したのかパニックに陥る。
「ゆ、許してくれ!俺たち…いや俺だけで良い!助けて下さい!」
「こ、こ、コージーさん!?」
「はぁぁぁ?!こいつらじゃなくてこの美人なヨーエを助けなさいよ!」
ーーー見苦しい。
俺はこんな奴らに奴隷として…従魔としていたぶられていただなんて…
俺の中の何かが千切れた。
「安心しろ…命は取らないでやる」
その言葉に一気にコージー等は安堵したのか顔色をよくする。
「死よりもきつい罰を下すだけだ。」
俺は無表情でそう言った。
コージー達はガタガタ震えまた下着、ズボン、地面を温かい水で濡らしていく。
俺はまずコージーが二度と自慢の剣を振るえないように利き手を喰い千切った
「ひがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!お、俺の手が手が!」
コージーが絶叫する…耳障りだ。
次にユールーズに標的を絞り二度と歩けなくする為片足を喰い千切った
「あびがゃぁぁぁぁぁぁ!あ、足が!」
五月蝿い
最後にヨーエだ。二度と光を感じなくするために片目を手で抉り出し喰らった。
「あばぼがぁぁぁぁぁだがぁぁぁ!目が!!」
汚い声だ。
敵を喰らった為あの声が頭に響く。
ーーー《スキル 超速を獲得しました。2度目の獲得な為スキル強化になりました。》
ーーー《スキル 剛力を獲得しました。》
ーーー《スキル 幻術を獲得しました。》
ーーー《土属性魔法を習得しました。》
ーーー《水属性魔法を習得しました。》
ーーー《風属性魔法を習得しました。》
一通り声が止む。コージー達を見遣ると恐怖と痛みからか気絶していた…俺は更にコージー達に呪いをかける。
「スキル 呪 対象 コージー、ユールーズ、ヨーエ。痛風、ヘルニア、今与えた傷の回復不可、口臭、腋臭、体臭、二枚爪、ニキビ、シワ、シミの増加、脂症、俺の顔を忘れる事を付与」
地味になったら嫌な物を付与し、俺だとバレないようにする。
俺は失禁したコージー達を路地に放置して匿名で騎士団に通報した後俺はピィナが待っている宿屋へ向かうのであった。
後に彼等は自分の容姿や臭いで苦労して誰にも受け入れられず寂しく3人で過ごしていると風の噂で聞いたのであった
ーーーー蛇の恨み辛みを舐めるなよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます