第11話
久しぶりにみた相変わらず人相が悪いコージーや化粧が厚く香水の匂いがキツイヨーエ、更に体型が丸くなったユールーズには思っていた以上に何も感じなかった。
ただただ俺を生贄にした後逃げ切ったんだな…程度にしか思わなかった。
コージー達は何故この場に呼ばれたのか理解出来ていないようで不機嫌そうな態度であった。不躾な目でゴッツさんや俺を睨んでいる。
…エリリン…ゴッツさんを前にその態度を取れるのは才能だと思う。なんかスキルでも使っているのか???
「コージー、ヨーエ、ユールーズお前達には今日は報酬の話をする為に呼んだ。まぁソファーに掛け給え。」
ゴッツさんはそう言った。その言葉を聞いたコージー等はズカズカと進み俺の隣にドカッと腰掛ける。
…うっ…コージーの加齢臭がキツイ…
そんな事を思っているうちにゴッツさんが話を始めた。
「コージー、ヨーエ、ユールーズ。お前達にはグリフォンから身を隠すという事でギルド所有の宿屋に隠れて貰うことを2週間も強いてしまい申し訳ない。」
ゴッツさんは先ほど迄と違い威厳のある態度で加齢臭コージー達に話す。
コージー等はそれにつけ上がり
「そーだ!そーだ!慰謝料寄越せ!」
信じられない。まさか慰謝料を請求するとは…グリフォンから守って貰っていた癖に…何でこんな態度がとれるのだ???礼儀知らずで恥ずかしい…こんな大ボケおたんこなすが元、主だなんて…一生の汚点だ。
この言葉にはゴッツさんも驚いたのか顔を少し顰める。
「で?報酬は?何十億だ?この俺様が命をかけて収集したんだぞォ?」
「そーでふ!十億は下らないでふよね!」
「当たり前じゃない!このスーパービューティフルなヨーエ様とコージーが命懸けでグリフォンに立ち向かったんだから!!」
コイツらの頭には綿菓子でも詰まっているのだろうか?命をかけたのは俺なんだが???
「さっさと払えよォゴッツ」
ひぇぇぇ!ゴッツさんを呼び捨て…こいつ勇者だわ…
ゴッツさんは盛大に顔を顰めてコージー達にいった。
「お前達が寄越した情報はひどく抽象的だった上にグリフォンの行動パターンや攻撃方法が不明だった。出現した場所も曖昧なクソみたいな情報が数十億ゴールドだと?笑わせてくれる!こんな情報な精々十万ゴールドだ!」
その通りだ。そんな内容の情報に価値は無いだろう。十万ゴールド支払ってくれる優しさに感謝しろゴミカス。
納得がいかなかったのかコージー等は声を荒げてゴッツさんの胸倉を掴む。
「はぁぁぁ?十万ゴールドだとォ?てめぇふざけているのか!?あぁ?!この俺はこの町で唯一のB級冒険者様だぞ!」
「そーでふ!十万ゴールドだけだなんてありえないでふ!」
「お前さぁさっさと払えよクソハゲ!」
流石に俺も苛々が限界に達しそうだ。人様の胸ぐらを掴むな!
俺は胸ぐらを掴んでいたクソゴミ臭男…コージーの手を掴んだ。
「何だァテメェ!このコージー様に歯向かうのか!」
「コージーさんを掴んでる手を話せでふ!」
「あっ…イケメン…すき♡」
若干一名違う事を言っていた奴がいたが無視をして俺は至って冷静を装ってコージーに話す。
「今、お前がやっているのは逆ギレだ。情報は出現した場所、攻撃手段、行動パターン、最低限を踏まえて売る物だ。お前は最低限の情報を提示出来たのか?話を聞いている限り出来ていないようだが?そんなクソみたいな情報で十万ゴールドも貰えるだけ普通の人は有難う思うぞ。お前は常識も知らない、ど底辺何だな。心底軽蔑するよ。」
ここまでワンブレスだ。
コージーは顔を赤くし俺に怒鳴りつけてくる
「テメェ!言わせておけば!絶対泣かしてやる!決闘だ!」
…面倒臭いな…だが…。流石にゴッツさんはヤバいと感じたのか仲裁に入る。
「コージー!良い加減にしろ!それが冒険者の在るべき姿だと言うのか!」
俺はこう言った。
「その決闘受けてやるよ。お前が負けた場合、今回の報酬は無かった事にしろ。ただし俺が負けた場合は俺の全財産をお前に譲ってやる」
俺は不敵な笑顔を浮かべてコージーをみる。
コージーは俺の全財産を貰えると思ったのか
「上等だ!テメェが勝ったら俺の全財産をくれてやるよ!」
こうしてコージーと俺はギルド内の闘技場で戦うことになった。
ーーーー闘技場
俺とコージーは間合いを広く開けて対峙する。
コージーが決闘する事が周りに広がったのか観覧席には沢山の冒険者がいた。獣人やリザードマン、人間多種多様だ。皆コージーが嫌いなのか観覧席から
『やっちまえ!色男!』
『にいちゃん!負けるな!』
『コージーだなんて殺しちまえ!!』
最後の人コージーに何をされたのだろうか…殺意がめっっっちゃ高くない???
そんな中ユールーズだけはコージーの応援をしていた…何故かヨーエは俺を見つめてくる。…気持ち悪いな…
そんな事を思っていると審判のゴッツさんが話し始める。
「殺人は禁止。どちらかが意識を無くすか戦闘不能の状態になる事で勝敗が決まる…両者構え!」
コージーは上段に剣を構え俺を睨む。
「では…決闘始め!」
その掛け声と一緒に勝敗は着いた。コージーがスキルを発動させたと同時に…
「スキル 超速ゥ!」
「中級闇魔法
俺は中級闇魔法を発動させてコージーの動きを封じた。コージーが地面から生えた闇の手を振り解こうとするが俺は闇の手をコージーに更に締め付け一切身動きを取れないようにした。
これには観覧席にいた冒険者やゴッツさんユールーズは驚いたのか闘技場は静かな空気であった。
暫く呆然としていたゴッツさんが気が付いたのか勝敗を下す。
「…しょ…勝者
その言葉と共に闘技場の時間が動き出したかのように熱気に包まれる!
『すげぇぇぇぇ!』
『闇魔法だなんて初めてみた!』
『詠唱省略とか聞いたことがねぇよ!』
「キャーーーー!抱いて!!」
…野太い男の声が会場中にこだまする。相変わらず最後だけおかしい…
コージーが試合に負けた事を受け入れられないのか
「う、嘘だ!絶対に不正だ!魔法を詠唱しないだなんてあり得ない!」
「そーでふ!これは何かの間違えでふ!」
「顔も良くて強いとか…好き♡」
…往生際が悪いな…。
俺はコージーの元へ歩み『スキル 威圧』を発動させる。
「良い加減にしろ。お前は負けたんだ…現実を受け入れろ。」
思わず苛立ってしまい殺気も一緒に向けてしまう。
コージーは威圧感と俺の殺気に恐怖したのかコージーの股間が温かい水で湿りながら気を失ってしまった
…S級の殺気と威圧を一身にその身に受けたのだ。仕方無いだろう。
そんな失禁したコージーをみてユールーズは呆然とし、観覧席は爆笑の渦に巻かれた。…この瞬間コージーは失禁やろうとして知れ渡ったのであった。
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