第5話

迷路を進み1時間程経った。


「シャー!もう怠い!どこだよ!ボス部屋!もう1時間くらい経っているだろう!」


途中ゴブリンとナイトウルフの群れに出会った。


(あれはボブゴブリンと…ゴブリンキング!?

それにナイトウルフキングか…)


ボブゴブリンとナイトウルフはC級の魔物でゴブリンキングとナイトウルフキングはA級の魔物だ。

このダンジョンは中々高ランクの様だ。


ーーーまぁ今の俺には簡単だが



闇刃ダークカッター


俺は初級闇魔法闇刃ダークカッターの魔法陣を展開する。勝負は一瞬で着いた。闇刃は意図も容易くゴブリンキングとナイトウルフキングの首を刎ね血吹雪が上がり辺りが鉄の匂いで満たされ地面を汚す。


「………弱いな…経験値にもならない」



頭を失ったゴブリンとナイトウルフは統率が取れていない動きで俺に襲いかかってくる。


「中級闇魔法闇槍ダークスピヤ


無数の黒い槍が地面から突き出し敵の体を貫き更に辺りを赤黒く染め上げた。


(呆気ないな…)


一瞬で終えた戦いへの感想はそんなものだった。

俺はゴブリンキングとナイトウルフキングを食う。

頭の中にまた声が響いた。





ーーー《スキル 剛腕を獲得しました》



ーーー《スキル アイテムボックスを獲得しました》



ーーー《スキル 超速を獲得しました》



ーーー《スキル 威嚇を獲得しました》



ーーー《スキル 王者の咆哮を獲得しました》





(かなりの数のスキルを獲得出来たようだな)

俺は早速覚えた『スキル アイテムボックス』

を使い手に入った魔石を放り込む。


ーーーこのスキル使い易いな!沢山収納できる!



アイテムボックスに魔石を詰め終えた後、また迷路を進む。





何回か戦闘を繰り広げ漸くボスの部屋らしき扉に着いた。扉には豪華な装飾されており金や銀が惜しみなく使われていた。


ーーーこの金とか取れないかな?


俺は『スキル 剛腕』を使い、金を鷲掴み此方に引き寄せる。…取れなかった…非破壊属性でも付与されていたのだろうか…?


仕方なく諦め扉を開けた。


「たっのもーーー!」


気合いを入れる為掛け声を上げてみたが何だか間抜けにしか思えない。失敗だったな


中に入ると扉は固く閉じられ勝つか死ぬまで出れないようになった


部屋の中は薄暗く壁や床はゴツゴツしている。

部屋の中央には何かの召喚魔法陣が描かれており不気味な雰囲気が漂っていた。


(何だ…この部屋は…コージーの趣味みたいなレベルで気味が悪い。)


一歩部屋の中に足を踏み込む。すると何故か青い炎の明かりが灯り辺りを青く染める。


(視界は良くなったが不気味さはましたな…)


そんな事を考えていると不意に召喚魔法陣が光出し部屋中の魔力が魔法陣に集まっていく。



ーーー来る!



次の瞬間俺は中級闇魔法闇ノ結界ダークシールドを展開し衝撃波を防いだ。


下に向けていた顔をあげ敵を見据える。そこには


「……悪魔…」


そう悪魔が宙に浮いていたのだ。大きな蝙蝠の様な羽に牛の顔、身体は筋肉質な人間の姿で腕と足なんか大木のように太い。奴等は悪魔界と呼ばれている異空間に住みその力はSS級の魔物に匹敵する。


ーーー勝てるのか…俺は…


もし俺が負けたらきっとコイツは町を襲うだろう。


(つくづく俺は運がない。自分と町の命運がかかっているんだ…だから)


ーーー絶対に負けられない!



「スキル 超速!」



スキルを発動し悪魔に向かって走り出す。

そして初級闇魔法闇刃ダークカッターを発動させ攻撃をした。


『グァァァァァァァァ!』


悪魔の体には無数の切り傷が刻まれたが瞬時に回復していく。

やつは俺を敵と認識したのか此方に向かい飛翔してくる。岩のような拳を突き出てきた。俺は避けれないと瞬時に判断を下し防御する事を選んだ。両腕をクロスし何とか防いだが今の攻撃で腕の骨が折れ皮膚を破り突き出ている。


悪魔から距離を取りスキル 超回復を発動させまるで時間が巻き戻っているかの様にみるみる治っていく。…すごい


悪魔は休まず俺に猛攻を仕掛けた。やつは上級炎魔獄炎ごくえんを発動させ、四方八方に溶岩を超えるような熱さの炎の光線を放ち俺を焼き殺そうとする。


「ッッッ!上級闇魔法闇ノ箱庭ダークボックス


咄嗟に闇の部屋を展開して身を守る。


(あんな魔法を喰らったら一撃で死ぬ!如何すればいいっ!如何すれば…)


俺は部屋に篭りながら考える。

すると悪魔が部屋を凄い力で殴り始めた。このままでは時間の問題だ…そして考え続けた俺は閃いた


ーーー!そうだあれを使えば!


「スキル 呪 身体能力及び生命力の衰弱と魔力低下」


前とは違い今の俺にはスキルがある。上手く使いこなさないといけない


すると呪いの影響か悪魔の筋肉はどんどん縮んでいき終いにはヒョロヒョロのガリガリになった。魔力も無くなってしまったのか浮くこともできないようだ。悪魔は勢いよく落下していき地面に激しくぶつかる。衝撃で動けないようだ


(今だ!魔力を大量に注ぎ込んだ魔法を打ち込め!)


「超級闇魔法終焉」


俺はあのグリフォンを一撃で屠った魔法を悪魔に放つ。空間を歪めながら悪魔へと向かい直撃した。


「やったか…?」


油断していたとき奴は最後の魔力を振り絞り俺に酸魔法を放なった。俺の体に酸が降り注ぐ。


体はスキル 超回復で何とかできるが服は溶けて無くなってしまった。残ったのは紐パンだけ。


俺も先ほどの魔法を使ったせいで魔力が殆ど無いがなけなしの魔力をかき集めトドメを刺すために中級闇魔法闇槍ダークスピアを放った。そしてレベルアップの音と共に奴は絶命した。

頭の中に声が響く


ーーー《個体名 星辰しんは規定レベルに達した為八岐大蛇ヤマタノオロチへと進化します》


俺の体は光に包まれた。


ーーー(進化に成功しました。)


何だか体が軽い


ーーー《進化の影響に伴い各ステータスが強化されました》


おぉ!それは嬉しい!


ーーー《個体名 星辰は八岐大蛇の特性として魂が八つになりました。魂を破壊されても1つ残っていれば回復可能です》


俺は死ななくなったみたいだ



ーーー《悪魔公爵が1柱 破炎ハエンを撃破した為、悪魔殺しの称号を得ました。》


悪魔公爵???なにそれ


俺は今嬉しい気持ちでいっぱいだ!


(良かった!勝ったよ!俺の勝利だ!)


悪魔の魔石をアイテムボックスに入れ奴の肉を食う

するとまた声が響く。



ーーー《スキル 悪魔召喚・使役を獲得しました》



ーーー《炎魔法を獲得しました》



ーーー《酸魔法を獲得しました》



ーーー《スキル 魔力増大を獲得しました》



ーーー《スキル 大罪 憤怒を獲得しました》



おぉ!新しい属性の魔法!炎か良いな!

スキルの『魔力増大』も使える。悪魔召喚と使役は戦力となるな!

大罪?初めて聞いたな…詳しいことを調べようとするが文字化けしておりますわからなかった


(まぁきっと俺の力になるのには違いない)



しばらくするとダンジョンが崩れ始めた。敵を倒した時に多分外へと繋がっている転移魔法陣を見つけた為急いで魔法陣を起動させ外に出る

…今紐パン一丁なことを忘れて


















ーーーこの行動がいけなかったのだ…まさか外に出た瞬間紐パン一丁で人間の女の子と出会うなど誰が予想できるのだろうか

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