第六章 アンナレッタ、始動!!

第38話  アンナレッタ始動!!

 アンナレッタは、三賢人に黙って大きな魔法を使ったことがバレて罰があった。

 川のほとりで、気絶した状態で発見された。目が覚めて、二ヶ月間は屋敷から出してもらえずに、サヤの絶対監視のもとに、反省文を書かされていた。

 その間三度ほど、癇癪を起こして屋敷の一部を吹き飛ばしている。

 最後の癇癪で、ロッソが謹慎を解いたのだった。

 本当に仕方なくで、ますます、魔力の強くなっていたアンナレッタをこれ以上閉じ込めておくと、屋敷が丸ごと吹き飛ばされてしまう……と思ったからである。


「私を閉じこめておいても、父上たちは帰ってこないぞ!!」


「だからって、アンナ様が捜索に加わるのは反対です。直系の最後の血筋の方ですよ!?」


 サヤは心配して言ってきた。


「光の神殿が消失して、半年だぞ!! 六か月だ!! その間に神官たちは何か、手がかりを掴んだのか!?」


「それは、そうですが……」


 アンナレッタは、サヤに自分なら光の神殿を探せるという、自信があることを言った。


「何か、手掛かりでもあるのですか!?」


「詳しいことは言えない。でも、手掛かりはある。だから、また旅に出るつもりだ」


「アンナ様……止めても無駄ですね。分かりました。ロッソ様にはサヤから、説得しておきます」


「感謝する、サヤ」


 アンナレッタはサヤに礼を言った。



▲▽▲



 それから一カ月後、一部の神官に行き先を告げ、アンナレッタは出発することになった。

 それに際し、アーロンがお供に着いて来ることになった。


「怖がり、高所恐怖症!! 絶対に足手まといだ!!」


「姫の暴走の引き留め役です。それから、彼の博識は役に立ちます。

 彼を連れて行かなければ、旅は許可出来ませんな」


 アンナレッタは白い口髭の神官、ザイラスと睨み合っていた。


<アンナ、時間の無駄だ。連れて行こうぜ>


 アーロンは今度は旅着を着ており、長期の旅に供えての準備もしていた。


「分かった。じゃあ、行ってくる」


「それでよろしいのです。姫、ティエリ山脈の竜の巣に行ったら、直ぐにお帰り下さいよ」


「それは、分からないな。手掛かりが分かれば、次へ行く」


「その判断は、アーロンの判断に任せます」


 ザイラスは、ピキピキしていたが、その間にアンナレッタはリカルドに命じて、空中に飛び上がっていた。

 リカルドは精霊でありながら、アーロンを抱いて飛ぶ羽目になった。

 アーロンには、精霊に触れるという特殊な能力があったのだ。



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