第31話  久々の我が家

そういえば、銀の森に帰ったのは久々だった。

 ドーリアに行き、ヴァーレンの片田舎まで、行って来たのだ。

 西域は遠かった。

 五年前に母のもとを訪れた時は、ドーリアのアスタナシヤまで魔法陣で行った。


 今回は、全ての魔法の根源たる光の神殿が消えて、他の神殿と神殿を繋ぐ魔法陣も使えなくなってしまったのだ

 各国は交通パニックを起こしてるらしい。


 アンナレッタは、自宅裏の温泉でゆっくりとくつろいだ。

 アーロンに一緒に入らないかと誘ったが、真面目な顔をして言われてしまった。


「アンナ様、十五歳の自覚有りますか?」


 頭上でリカルドが大笑いをしていた。

 小石を投げたら、自分の頭に振ってきた。


 <精霊は肉体が無いんだよ!!自覚がないのはどっちだよ>


 リカルドの言葉に、ぷぅと風船のように膨れたアンナレッタの顔。


 ロッソから、溜息が出るくらいの説教をくらい、サヤには無事でよかったと抱きしめられた。

 そんなサヤが大好きな、アンナレッタであった。


 銀の森の入り口にある、一般の神官や巫女が利用する大神殿の一角を、仮りの光の神殿としていた。

 光の神殿としての機能は果たしていたが、内部トラブルがあるらしく、ロッソとサヤはアンナレッタには関わらせまいとしていた。


「で!? あっちはどうしてるんだ!?」


 そうはいっても、アンナレッタも神官たちの動きは気になった。


「力のある魔法使いを。まずは八等親以内の方をお集めになって、探るそうですわ」


「わぁ~出たね~血族の力で分かるなら、とっくに私がわかってるっつーのに!!」


 サヤの言葉にアンナレッタは反論した。


「精霊で最古参の風の奥方が分からないって言ってるんだぞ。ドーリアの占者にも分からなかったのに!! ロイル家の者だって言うだけで、何が分かるんだよ!!」

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