第16話 光の神殿が消えた!!
光の神、イリアス・エル・ロイルを崇める銀の森は、リドムの銀色の葉が一年中枯れないことからこの通称で呼ばれていた。
イリアスは、しばしば人界に現れ、人と交わり子孫を残しているというが、ほとんどはデマであった。
正当な血筋を神殿が認めているのは、エル・ロイル家だけである。
ロイル家に近いに者ほど、魔法の力が強かった。
イリアスを祀る神殿には、十数人の神官、巫女が務めていた。
ここに居るのは、選ばれし神官と巫女である。
神殿のトップは、三賢人と呼ばれて三人の大神官、ザイラスとハウル、大巫女のユリエであった。
三人は、八等親内のエル・ロイル家の身内で、ロイル姓である。
つまりこの時代は魔法使いだけでなく、神殿もロイル家の勢力がまだまだ、幅を利かせていた。
そしてその日は、突然来た。
光の神殿がある日、忽然と銀の森から消えたのである。
何の前触れも無かったので、風の精霊達も驚き、この話は瞬く間に全世界に広がった。
驚いた各国の要人が、詰めかけてきた。
世界はどうなってしまうのかと!!
そんな世界の混乱をよそにノホホ~ンとしている女の子がいた。
「本当に、光の神殿だけ消えてしまったんだな」
<そうだな……スゴイ力を感じるぜ。無理やり持ってかれた感じだな>
エル・ロイル家の近くにある光の神殿があった場所に、アンナレッタと風の精霊のリカルドが来ていた。
<中にいた18人の神官と巫女も一緒に消えたのか!?>
「ついでに、父上もな」
<ええっ!? なんで~??>
「ザイラス達に、西域から姫が来てると誘わたんだ……まあ、見合いだな本人は、知らないようだが」
<なんで、こんな時に~>
「父上だからな~」
吞気に言うアンナレッタの頭を蹴飛ばしてやりたいリカルドであった。
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