姫様リーゼの視点から物語が進んでいく、軽快でほのぼのとした雰囲気の中にも、深い背景や人物像が垣間見える小説になっています。
リーゼ姫の独り言を通して、孤独を感じつつも生き生きと過ごす様子が伝わってきます。侍女や従者との関わりからも、リーゼ姫の人間性の良さが滲み出ています。特に従者のネムとユーシスの喧嘩シーンは、姫としての威厳を保ちつつも面倒見の良さを感じさせる、微笑ましい描写でした。
また、亡くなった母の思い出や、第二の母のようなレティーとの関係性など、リーゼ姫の内面にも焦点が当てられていて、キャラクターに奥行きを与えています。
ファンタジー世界を舞台に、若き王女の日常と心情、周囲との交流が丁寧に描かれた作品だと感じました。今後のリーゼ姫の成長と、話の展開が楽しみです。