(お金のかかる宣伝)無料配布物を作って配布する その1

 これまでは(自分の労働力以外)お金のかからない宣伝について書いてきました。

 お金がかかっているとしても、A4の紙一枚にブース番号とサークル名を表記して印刷するとか、文学フリマで同人誌を買う(自分で読む用)とか、軽微な経費、もしくは趣味と実益を兼ねた出費です。

 この章では、無料配布について考えて見ようと思います。


『無料配布の種類』

①有償頒布本の一部抜粋

②有償頒布本の紹介(文章サンプルはなしでレビューなどで紹介)

③無配でしか読めない短文

④名刺

⑤その他


 名刺やA4くらいの紙一枚からステープラー留めコピー冊子、印刷所で印刷したもの、いろいろです。


『期待される効果』

①有償頒布本に興味を持ってもらえる。

②ネット通販サイトなどの情報を手渡せる。

③サークルに興味を持ってもらえる。


 なかなか魅力的な効果が期待できます。


 こだわって原稿を書き、デザインに工夫し、コピー代やら印刷費やら、資金を投下して行うのですから、やはりそれなりの効果を期待したいところです。

 ところが、ここにもなかなか厳しい関門が待ち構えています。


『効果までの関門』

①会場で受け取ってもらう。

②実際に読んでもらう。

③有償本を買って貰う/次回のイベントでも来訪して貰う。


 そうです、①……会場で無料配布を受け取って貰う、ここがまず難関なのです!

 かつての文学フリマには「チラシ置き場」のある会場もありましたが、いまは各会場、ないようです。ですので、無料配布はサークル本人のブースで手配りすることになります。

 机の最前列に置き、「ご自由にお取りください」と書いた紙を貼っていてもなかなか取っていってもらえません。

 これはサークルの頒布物に興味がないわけではないのです。

・有償頒布を買ってないのに貰ってもいいのかなと思っている。

・ご自由にお取りくださいの文字が目に入っていない。

 ほかにもいろいろ理由があると思いますが、ひとつひとつのブースを吟味して回っている来場者さまでも、「見本誌コーナーで見た面白かった作品」「なにか興味を惹く題名の作品がないか」などの観点でブースに拡げられた頒布本を目に収めているようで「なにか無料配布はないか」と探しているわけではないのが要因だと思います。


 ま、私も会場を回っていて、敢えて「無料配布」は探しませんから。

 ですので、無料配布は勝手に持っていってくれることは期待せず、

「こちら、無料配布なんです」「無料配布冊子は如何です?」

 等、お声かけします。


 ほかの会場ではお声かけすると、たいがい受け取ってもらえますが、文学フリマ東京では、不要な方もおられます。

 一次創作サークルは無料配布を行うことが多く、かつ文学フリマ東京はブース数が多い。すなわちいちいち受け取っていたら、無料配布の紙束だけで肩が抜けるほど重くなる……という理由じゃないかと思ってます。サークル参加者は宅急便の荷物に入れて送り返す手もありますが、一般の来場者さまで宅急便を使われる方は少数で、たいていはその日のうちにご自身で持って帰られます。


 受け取ってもらえたら、あとの関門②と③は、こちらでコントロールできることではないので、あとはさらなる興味を持ってくれたらよいな、と思いながら待つことになります。

 しかし、すぐにネットの濁流に呑まれる宣伝と違い、読んでほしい情報は読者(になり得る方)の手元にあるのです。Xの宣伝ポストよりは反応を期待できるのではないかと思います。

(このあたりも読んでもらえたかどうか、統計取れたらいいんですけどね、無理ですね。企業広告でしたら、「キーワードを探してサイトにアクセスすればポイント進呈!」とかで、アクティブな消費者/配布数 の比率を出す手はあるのですが……)


 次は、無料配布でアクティブな反応をもらう方策のあれこれを書こうと思います。

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