第6話【ゲリラ配信】新人さんにインタビュー!#クラベル・赤川・サーラ #星橋翠 #天津風ゆう #晴野雨
side 佐々木雨
「というわけで、お名前マックスマックトマトジュースさん。」
「いつもの方ですねー、来るよあの質問が。」
ニューライブ社長である私佐々木雨は、必ず公式配信はチェックしている。
「行きますよー。翠様へ私はトマトジュースを応援している。トマトジュース応援し隊隊長のマックスマックトマトジュースです。
『マクトマさんだー』
『今回も例に漏れず北風』
『トマトジュース推し』
私の叔父であるマックスマックトマトジュースことトマト農家の小畑夏から貰ったトマトジュースを空けながら、私は配信の動向を見ていた。
「すみません。言いたいので先に言います!私はトマトジュースが大大大好きです!」
音割れするぐらいの鈴のなるような美しい声とともに、缶の開けるプシュっと音が。
「マックストマトジュースさんありがとうぉ!」
『すげぇ過去一の勢いだ。』
『翠ちゃんはトマトだな。』
『今からトマトつけてくるわ』
『私もトマトジュースいただきます』
たしかに彼女の勢いは過去一で、そこから流れるように缶を開ける姿は...面白い、面白い。まじでトマトジュース大好きそうだ。
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雨にそんな風に思われているとは露知らず。翠は4本目のトマトジュースに手を出していた。
「いやぁ喋りながらトマトジュース飲むのがここまでいいとは...最高よぉ」
「翠ちゃん酔っ払いみたいになってきた気がするんだけど、幼なじみクラベルさんの見解をどうぞ。」
「うん。翠はトマトジュース好きすぎて15本目ぐらいで寝るからそれまでマシュマロ捌こうか。」
遠い目で語るクラベル。それに頷くゆう先生。ここのスタジオがなかなかカオスな雰囲気になってきた。
「よぉぉしぃ。クラベル最後にしようか。これ以上飲ませると...翠が喋りそう、色々と。」
慌てている晴野雨が流石に可哀想になってくる。なので、ゆうはここで終わらせることにした。
「よ...よかったよ。辛いね大変だ。うん...」
『語彙力消えたね。』
『社長以上の才能かも』
『あの元気印がか...まだ45分しか経ってないのに。』
「はい。行きますよー。えっとね...翠ちゃん翠ちゃんクラベルの事好きですか、大好きですか?」
可愛らしい晴野雨の声によるこのマシュマロに翠を除く全員が固まったが、
「もちろんですよ!だ い す き。」
何も考えていない翠の囁きに視聴者(スタッフ社長など)クラベル ゆう 晴野雨は心を射抜かれた。
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2時間後 雨side
「お疲れ様ー?!何この状況」
雨はあの配信を見返したあと、3人が居るスタジオへ向かう。扉を開けた途端目に飛び込んだのはべろんべろんに酔っ払った晴と雨井、静かなお顔でお酒を飲む海斗、その腕の中で眠る咲だった。
「あぁあ、なんで雨さんいい時に来るんですか?せっかく咲が寝たのに、大きな音でドアを開けて...」
海斗は悲しそうな顔をしてそう言うが、
「来るの遅いよおぉお姉ちゃんぁぁん」
と、晴と雨井は誰か来ることを切に願っていたようだ。
先程すれ違ったスタッフによると、海斗が雨井と晴に酒を飲ませていたらしい。
「咲はお前が飲まして寝かせたのか?」
「いやぁ違う。終わったあとにあの大好き発言の切り抜き見て照れて、トマトジュースを一気に飲んでハイになって、自分で酒がぶ飲みしたからだ。」
あの大好き発言は無自覚に行っていたのだろう。そのせいでダメージが大きかったのか...本当にあれは心を構えとかなくては、普通に惚れてしまいそうだ。
「ふにゃぁ?海斗ぉねねこのままっ...zzz」
というか、雨井が言っていた通りにこの2人は見ていて飽きないと改めて思う。
無意識に愛をどっぷりと与える咲にその愛を少し照れながら受けとる海斗はなんとも理想的なカップルだ。
「海斗、卒業は無しにしてくれるか?」
「もちろんだ。咲、翠が居る限り俺はどんなことがあってもここにいるよ。」
「ありがとうな、咲。」
「そこは俺に感謝してくれ!」
こうして伝説の歌うまな天然な少女はデビューを飾った。
家凸したら友達がVTuberやってた... 猫部&KKG所属な茶都 うなべ @tyanomiya_3
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