第14話 しない同情とする感心

その日の夜


とすとすとすとす


威厳を見せたいがために歩くような足音だった。重たいけれど、どこかやわらかい。そんな足音。


皇女としての礼儀作法を忘れ、まるで傲慢な貴族の男性のようだった。


侍女が歩く姿勢を直そうとしたけれど、ビクともせずにそのまま歩いていき、皇帝の執務室に到着した。


コンコンコンコン


大きなドアを叩く。憎悪の雰囲気が廊下に漂う。


「入れ。」


冷たい声と温かい口調で矛盾している。


本来ならば水と油のように混ざり合わないのに。


警備の騎士がドアを開けて皇帝の執務室に入る。皇帝がスラスラと書類にペンを滑らせている。


「どうした。レオナ。なんの連絡もなしにここに来るとは。」


皇帝は不慣れな優しい笑みを浮かべた。


「お父様、神殿のが、私のことを侮辱したんです!私のことを性悪の悪女と罵って、レオナ、すごく悲しかったです!」


涙を流しながら可哀想な娘を演じる。


周りにいる侍女や警備の騎士は一斉にこう思った。


(その神官度胸あるなぁ〜。あの皇女さまに事実を言うなんて。)


皆はレオナに同情はせず、エミに感心した。


「……その神殿の人間の名前というのは何か分かるか?」


「お兄様がちょっとした知り合いと言っていました!!ミエです!苗字は分からないけれど、外国の無名家門の出です。」


しっかりとアイザックの罠に嵌っているレオナだった。


「分かった。こっちの方で調べておくから、お前はゆっくりしていろ。」


「はい。」


「それと、レオナ、いきなり来るのは良いのだが、護衛兵を常時付けていろ。皇族というのは常に危険にさらされているからな。」


「はい。」


皇族は皇位継承権を巡って争う。もちろん、第3皇子のような平和主義もいる。第1皇女も平和主義の1人だった。


第1皇子と第2皇子は継承権を欲していた。お父様に反逆の濡れ衣を着せて私が殺害したことにしたけれど。


皇族は強い者が支持される。お父様もそうだった。だから私はお父様を利用して皇位を勝ち取る。


なぜだかお腹が空いたな。凄まじい睡魔が体を襲う。


「ではお父様、私はそろそろ寝ますので、失礼しますね。おやすみなさい。」


「おやすみ。」


そう言ってお父様は手を振り、私を見送った。


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菜乃みうです


第14話ご覧頂きありがとうございます。


お腹が空いたと眠たいのは完全に私の感情ですね。今日は2時に寝てたので今日は早めに寝ます。


これが投稿されているころは……昼寝にピッタリなのでは?


昼寝ってなぜあんなに眠れないのだろうと考えてしまう。


保育園の時皆寝ている中私だけ起きててキョロキョロしていたのを思い出します。


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